5ひきめ(2002年9月)

まねき猫がであった 今月のおもろい人

                堀越大二郎さん




大阪(おおさか)心斎橋(しんさいばし)にある老舗(しにせ)(てん)ぷら料理店(りょうりてん)若松(わかまつ)」の3代目(だいめ)堀越大(ほりこしだい)二郎(じろう)さん。13〜18(さい)(ころ)学校(がっこう)(かよ)わず各国(かっこく)(まわ)り、セイクレッド・ラン(ネイティブ・アメリカン―いわゆるインディアン―のデニス・バンクス()提唱(ていしょう)する、「すべての(いのち)(せい)なるもの」という平和(へいわ)のメッセージを(つた)える運動(うんどう))などの平和(へいわ)運動(うんどう)参加(さんか)現在(げんざい)はお(みせ)のかたわらジェンベ(西(にし)アフリカの太鼓(たいこ))のライブ活動(かつどう)活発(かっぱつ)にされています。(文責(ぶんせき): 編集部(へんしゅうぶ) 

ぼくが(みせ)(はい)って8年目(ねんめ)になります。それまではアメリカを中心(ちゅうしん)に、セイクレッド・ランとか、平和(へいわ)行進(こうしん)をするお(ぼう)さんたちについてあっちこっち()ってました。

10(だい)(ころ)(おな)年頃(としごろ)()に「戦争(せんそう)になったらどうなるのかわかってんのかよぉ!」とか()ってうるさがられたりしてましたね((わらい))。戦争(せんそう)とか核兵器(かくへいき)とか、情報(じょうほう)だけがどんどん(はい)ってきてイメージがふくらむから、16〜17の(ころ)自分(じぶん)(なか)から恐怖心(きょうふしん)ばかり()てきてた。

それってリアリティの問題(もんだい)なんですよね。平和(へいわ)運動(うんどう)なんかでも、情報(じょうほう)だけで「大変(たいへん)や」というのはありがちやと(おも)うんですけど、どれだけ現場(げんば)()たとか本当(ほんとう)のしんどさを()ってるとか、問題(もんだい)()うていく(ひと)のリアリティが大事(だいじ)やと(おも)うんです。その(ころ)のぼくは、たとえば世界一(せかいいち)(こく)アメリカで「アメリカの(なか)第三(だいさん)世界(せかい)」といわれるインディアンの居留地(きょりゅうち)()て、そのギャップにただ圧倒(あっとう)されてた。

(いま)日本(にほん)平和(へいわ)(うす)っぺらい、(いつわ)りの平和(へいわ)ですよね。「平和(へいわ)」という言葉(ことば)自体(じたい)(うす)っぺらくなってる。ものの()らなさ加減(かげん)やのほほんさは、ある意味(いみ)平和(へいわ)やと(おも)うけど。でも本当(ほんとう)微妙(びみょう)なバランスの(うえ)綱渡(つなわた)りみたいな平和(へいわ)でしょ。(おお)くの(ひと)がそれに()づいていない。()づいているかもしれないけど、()()ぬふりをしている。

やっぱり、()どもが犠牲(ぎせい)になれへんというのが一番(いちばん)かな。大人(おとな)自分(じぶん)たちの都合(つごう)(ころ)()いをするのは勝手(かって)やけど、それによって()どもが(きず)ついていくのはちょっと我慢(がまん)できへん。(いま)日本(にほん)()どももしんどいですよね。()どもが()どもらしくいられること、それは(みちび)いていく大人(おとな)責任(せきにん)やからね。

(みせ)ではライブや写真展(しゃしんてん)()(しょ)個展(こてん)をしたりしています。(みせ)(たの)しいですよ、仕込(しこ)みと後片付(あとかたづ)けがなかったら((わらい))。これからやりたいこともいろいろありすぎるんですけど、とりあえず(いま)やってることをもっと(ふか)めていく。ぼくにとったら、(みせ)(はい)るのもステージに()つのもまったく(おな)じこと。自分(じぶん)(つく)ったものを()して(よろこ)んでもらうために()てるから、もっと(よろこ)んでもらえるようにしたいですね。(てん)ぷらでいえば、たとえば(くるま)エビというシンプルな素材(そざい)をどれだけおいしく()げられるか。太鼓(たいこ)でいえば、いろんな(わざ)必要(ひつよう)だけど、一発(いっぱつ)(おと)をどれだけきれいに()てるか。それを(きわ)めていくには、多分(たぶん)一生(いっしょう)かかるんでしょうね。

 

ほりこし・だいじろう●1976年生(ねんう)まれ。最終学歴(さいしゅうがくれき)小卒(しょうそつ)習得免許(しゅうとくめんきょ)自動二輪(じどうにりん)調理師(ちょうりし)趣味(しゅみ)音楽(おんがく)仕事(しごと)片想(かたおも)い。
若松(わかまつ) Tel06-6271-3204 (ひる)11:30〜13:30、(よる)18:30〜23:00 (にち)(げつ)祝休(しゅくやす)

 

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