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「東横イン」だけの問題じゃない!/佐野武和

はじめに

東横インの社長にあきれた人は多い。最初の発言は、許せないが本音なんだなと感じさせられた。しかし、その後マスコミのバッシングにあい、芝居じみた謝罪をくりかえしたのには怒りと悲しさがこみ上げた。マスコミを引き連れて謝罪にあらわれた社長に、当の障がい者団体も困惑したと聞く。マスコミのカメラにむかって頭をさげる姿も言い草も実に不愉快だ。

問題の本質を問い直す取り組みを!

ハートビル法やまちづくり条例の実行監視が必要だと強く感じた。オンブズパーソンの地域活動を提起したい。このように油断をすると、とんでもない事象が身近に起こるからだ。障がい者の人権活動の地道さが問われている。

そもそもハートビル法が何を背景にしてうまれたのかを考えてほしい。障がい者の完全参加と平等が国際的テーマであったと成熟した市民社会が認めたからではなかったか? 裏切られた思いだ。東横イン社長は薄っぺらな共生社会の隠された本音の代弁者だったのだ。利益を追求するのはいいが、下品で姑息な手を使わずにやれんのか! この結果は高くつくことを思いしらせてやらねばなるまい。

「福祉」の名のもとに・・・

障がいをもった幼児が駅に捨てられていたという事件が三十年前に起きた。児童相談所は捨てられていた駅にちなんだ名前をその子につけ施設に入所させた。

年齢は推定で数えられ、やがて二十歳になると、障害基礎年金の受給が始まる。しかしこのお金を施設が蝕んでいたことが発覚した。第二びわこ学園だ。滋賀の福祉のオピニオンリーダーであり、糸賀系譜の格調 高い一角だ。家族会の名を借り積立て寄付を集めているがその会計処理さえなされていなかったのだ。園長は非力であったと引責辞任。巨大入所施設の暗部を見た。

おりしも第二びわこ学園は新築移転し地域移行の支援計画どころか入所定員の増床が臆面もなくおこなわれた。滋賀七福祉圏域に機能分散の地域支援からの声はもろくも圧殺された感じだ。一方自立支援法激震の中で滋賀県下で身体障がい者療護施設四〇人定員の新設工事が始まった。地域福祉の先進県の裏側でまやかし福祉が脈々と生きながらえている。東横インの社長なんぞかわいいもんだと誤解を恐れずさけびたい。ほんまに。

(2006/09/29)



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