豆腐で健康に! でも遺伝子組換え大豆にご用心/大川智恵子
安心できる食生活を手にするためには
毎日のみそ汁の具に、そして冬は湯豆腐や鍋もの、夏は冷やっこ、と私たちに馴染み深い豆腐は、今や欧米でも健康食として人気を集めています。
豆腐の効用の一つは、原料である大豆たんぱく質の働き。消化されて大豆ペプチドとなり、必須アミノ酸に分解されコレステロールや中性脂肪を下げカルシウムの吸収を高めます。効用その二は、大豆イソフラボンの働き。女性ホルモンに似た作用で美容効果があり、更年期障害の改善、骨粗しょう症の予防、乳がん・子宮ガンの増殖抑制などの働きをします。その他、大豆サポニンという物質の抗酸化作用が老化を防いだり、大豆レシチンが血液をサラサラにして血栓を予防したりとなかなか優れものです。
しかし、毎日のように食べて欲しい食品ですから、安全面が気になりますね。市販のものは添加物が要注意です。消泡剤のシリコン樹脂、凝固剤の硫酸カルシウム、そして品質改良剤としてグリセリン脂肪酸エステルなどが使われています。豆腐は「大豆とにがり」だけで出来ます。にがりの主成分は、塩化マグネシウム。塩化マグネシウムと書かれていても天然のにがりとは限りません。よく確かめてから求めましょう。
さらに今問題なのは、遺伝子組み換え(GM)大豆。大豆自給率約五%で、ほとんどはアメリカやカナダからの輸入です。それらの大豆の八〇%は遺伝子組み換えされています。そのわりには「遺伝子組み換えでない」と表示している豆腐が多いですね。この度、ある消費者団体が全国の豆腐の検査を行いましたが、結果は暗澹たるもので市販の豆腐の約半分はGM大豆が混入していることがわかりました。国産大豆はもちろん、有機大豆と表示されたものからもGM反応が検出されました。食い止めることが困難な、遺伝子汚染の現実を見る思いです。豆腐の安全を求めるためには、例えば大阪府内産大豆(せめて国産)を使った近所の豆腐屋さんから買う。農と食が身近に繋がることが、大切ということでしょうね。
(2006/09/29)