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好調!富山の路面電車/熊本市議会議員・村上博

八月二四日から三日間、廃線になったJRの軌道敷で路面電車の営業運行を四月に開始した、富山市の第三セクターのその後を見に行きました。

白山をイメージした白いボディーに七色のラインが入った七編成(一編成二両連結)の低床電車。保育士さんに引率された園児から老人クラブの高齢者、通勤通学の学生やサラリーマンなど実に多様な人達の乗降で賑わっていました。乗降客数四〜五千人/日―これはJR時代の二倍以上。開業以来四ヶ月続く好調さが伝えられ、全国各地から視察が相次いでいます。

市民と連携しまちづくりの柱に

二五日午前中、運営会社である富山ライトレール(株)の大場部長が、終点の岩瀬浜まで付き合ってくれ、開業までの苦労や、一基五万円のベンチ一六八基を市民が全部購入した話など、市民と連携した数々のエピソード、さらに富山駅が高架化された時の、路面電車の環状線構想の夢も聞かせてくれました。

富山ライトレール(株)の社長さんは富山市長の森さんです。森市長は選挙公約で、「車がなくても暮らせるまちづくり」を掲げ、路面電車をまちづくりの柱に据えたそうです。「ほほぅ」と思ったのが、助役を二代続けて国土交通省から招いたこと。国土交通省は路面電車導入を積極的に支援しています。なかなかの戦略家です。

このままでいいのか? 繰り返し問い直す

その笠原勤助役にお会いし、話が聞けました。開業以来、好調に推移している事業の責任者としては鼻高々のはず。威勢のいい話がポンポン飛び出すだろうと思ったのですが、予想外の話に驚きました。それは「低床電車導入に税金を使っていいのか、電車が走る地域の人には良くても日常の移動で困っている地域の人たちにどう説明するのか、国交省からの補助金はあるとしても五八億円のプロジェクト。市民の理解は得られるのか」等々。

一時間余の話の中で何度も出てきた「このままでいいのか?」という問い直しの言葉がとても印象に残りました。つまり、高齢社会が進むなか、現在のままだと高齢者が街で暮らせない、そんな情況をそのままにしていていいのか、それが「このままでいいのか?」でした。

「ダメもと」で電話したことから実現した笠原助役との面会。「何とかしたい、現状を変えたい」との想いが詰まった「これでいいのか」。熊本のまちづくりに大きな勇気をもらった言葉でした。帰りの特急の速報で知ったグッドニュース。国連での「障がい者権利条約、採択」。嬉しいニュースで希望が膨らむ富山視察でした。

(2007/02/19)



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