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障害者権利条約の早期批准を!

二〇〇六年、一二月一三日、午前一〇時、ニューヨークの国連本部において、とうとう「障害者の権利条約」が採択されました! 五年間、八回の特別委員会には、政府代表も含め、障がい当事者も多数、積極的に参加していました(五四ひきめ参照)。

条約は二〇〇七年三月三〇日に署名・批准に開放され、今後、二〇ヵ国以上の国が批准することによってこの条約は発効します。アナン国連事務総長らは、各国に早急に条約を批准し、実施するよう呼びかけています。  世界で約六億五千万人の障がいをもつ人への差別を撤廃し、全ての人に保障される人権が障がい者にも等しく保障され、障がい者の社会参加を進めるよう努めるというものです。例えば、移動や情報入手の場面で不利になる人がいないよう環境を整備すること、教育を受ける機会を平等にすること、雇用における差別を禁止することなどがあげられます。

日本では現在、「障害者の権利条約」批准のために国内法のチェックをしています。改正すべき点もでてくるでしょう。 「合理的配慮の有無で障がい者の権利が守られているかどうかの判断基準になる。権利擁護の上で画期的な成果だ」とDPI日本会議の金ジョンオクさん。「私たち抜きに私たちのことを決めるな!」を合言葉に、早期批准を実現させたいものです。

韓国で障害者差別禁止法制定

韓国の「障害者差別禁止及び権利救済等に関する法律」が三月六日に国会を通過し、四月四日署名式が行われました。残念ながら日本のニュースではほとんど取り上げられていません。差別の意味を既存の直接差別から一歩進んで、間接差別と正当な便宜提供拒否(合理的配慮義務違反)などに拡大して、差別の概念を確立しました。また、差別禁止の対象を生活の多様な領域に広げ、差別を受けた被害者が救済を受けられる多様な手段を含んでいます。さらに、差別の立証責任については、「立証の配分」という方法で、差別を受けた側が差別を証明しなくてもよい方法を取り入れています。

障がい者団体が、法の実効力をもたすため特に要求していた救済手段・・・差別改善機構の独立的な設置、懲罰的な損害賠償制度などは含まれず、惜しいところもあります。

障がい当事者が中心になって原案が作られ、長年要求し続けてきた法律が制定された意味は非常に大きいです。障がい者に対する差別と排除を根絶するための出発点、人権保障の重要なターニングポイントになると評価されています。障がいのある人もない人も平等に生きられる社会を作るためにより一層の努力が期待されます。

(2007/05/14)



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