まねきねこ探検隊 小規模作業所「糸をかし」のチンドン屋さん
個性豊かな人間性はぐくむドリーマーぷくぷくにて地域での「おまつり」が一〇月二〇日に賑々しく開催されました。その日は、秋晴れで暖かい日差しの下で、おでんやキャベツ焼き、フランクフルト、ジュース、ポップコーンなどが売られ、盛況でした。すぐそばの公園では、紙芝居、ハーモニカ演奏、輪投げ遊び、日用品雑貨のバザーと賑わっています。 この賑わいの中では、障がい者と 健常者といってもわかりません。こんな風にお互いどこからともなく溶け合う事を繰り返しやれば、障がい者に対する差別や偏見がなくなるのでしょうか? 私は、よつ葉牛乳を飲みながら紙芝居を見たり、ハーモニカを聴いていました。 昼から、「糸をかし」の「チンドン屋」さんが、地域のみなさんに、笑いと幸せを運ぶ「座・ショウ」を公園の真ん中で見せてくださいました。 「とざい、東西」と始まって、催しの口上と自己紹介。おばば役のおじさまが、前掛けのポケットから怪しげな少し長い物をいくつか出して、それに空気を入れると長い風船に変身するのです。風船は手の中で、形を変えて生まれ変わり「犬、白鳥、プードル、キリン、剣、王冠」など、楽しく見ていました。 私もプードルをもらいました。この後、皿回しもみんなで楽しみました。 徹底的な反省会 泣き出すスタッフも…二四日に改めて豊中市服部にある「糸をかし」の作業所を取材に訪れました。作業所は二階建で思っていたより広く、きれいに片付けられていました。西口さんと森田さんという職員の方が対応してくださいました。二階で人形劇の反省会が行われていました。「糸をかし」では授産の仕事の中心が人形劇です。知る人ぞ知る「吹田人形劇コンクール」で入賞経験もあり、劇団としてその活動が認められています。 入部:なんで「チンドン屋」をしようと思ったの? 西口:以前から私が劇に携わっていた事もあって、人形劇を通して表情豊かなこの人たちと「チンドン」をしたいと思っていました。そんな時、からだづくりの講師として「糸をかし」にきてくださっていた「浪速ちんどん倶楽部」の先生に、お化粧の基礎から着物の着付け、着物のたたみ方までみっちり教えて貰いました。 入部:森田さんは、「チンドン」担当ですか? 森田:全国から要請があれば、どこへでもみんなを引き連れて行きたいと思っています。この十一月は嬉しい忙しさです。 西口:森田は、ジャニーズ系で背は高いし好青年でしょう。入部さんに気をつけなあかんよ。 森田:(笑う) 入部:ほんまやで、気をつけな! 本題に移って、「チンドン」は、何人でしておられるのですか? 西口:障がいがあるスタッフが七人、職員も日によって空いている職員が「チンドン」をやります。みんな「チンドン」が好きです。「チンドン屋」は、体力仕事です。出ると何キロという道のりを歩くのですから、途中でダウンしないように…。 入部:人形劇とスタッフは、一緒ではないのですね。 西口:そうですね。障がいがあるスタッフは、男性があまりいなかったのですが、最近、男性が入ってきまして、男性ばかりでしています。とにかく「チンドン」が大好きです。 入部:反省会をしてはったみたいだけど?! 西口:そうです。こないだやらせて貰った人形劇のビデオを見て二階で反省会をしていました。「糸をかし」は、「チンドン屋」と「人形劇」が仕事です。姿勢が悪い、声が出ていないなど徹底的にします。スタッフさん泣いています。 人形劇の魅力、可能性、表現活動、その中で成長しています。毎日練習する中で、自分の役割づくりや健康面の自己管理もしますね。気持ちが飛ぶと止まってしまうので、飛ばさないように心がけています。緊張して熱が上がる障がい者スタッフは台本は見ませんが、自分の番になると、きっちり役割りをやり遂げるのです。 「糸をかし」さんは、他の小規模作業所やNPOではできていないことをしているなと思いました。 人形劇、チンドンを通して個性豊かな人間性を育てるところとしてこれからもがんばって貰いたいです。(いるべ) |
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