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リレーエッセイ「08九州障がい者カヌーフォーラム」-村上博

有権者の審判を受けず、『血筋の良さ』で言えば申し分なかった安倍氏、福田氏がそれぞれ、わずか1年で総理の座を引いた。2人の総理が立て続けに政権を放り出すこの国は、世界中から政情不安定な国(!)と認定されたに違いない。そして誕生した麻生太郎内閣。ご存じのように吉田茂・元総理の孫という毛並みの良さを誇る(?)麻生太郎総理。学生時代から1着数十万円のスーツをオーダーし、国政選挙に初出馬した時の第一声が「下々の皆さん…」だったとか。直接聞いたわけではないので何とも言えないが、「創氏改名は朝鮮の人たちの希望…、日本は単一民族‥」という失言という名の本音を繰り返し漏らす政治家を総理というリーダーにいただくこの国の民主主義の仕組みはまっとうに機能していない。今解散総選挙を行えば大敗する、との調査結果に短命内閣を予感したのか、一向に審判を受けようとしない麻生総理。この号が届くころはたして解散しているのかどうかビミョウー。

「自立支援法」で奪われたカヌー体験

私は障がい者カヌークラブの代表をしている。5月のゴールデンウィークには宮崎県延岡市の北川という驚くほどきれいな川でカヌーキャンプを13年連続で行っている。ゆったりのんびり、上流からベースキャンプまでツーリングを楽しんでいる。とは言っても石ころごろごろの河原でそんなに簡単にカヌーに乗れるわけがない。幸いかな、一緒に楽しみ、サポートしてくれる健常(?)な仲間がいる。水面すれすれから見上げる景色の絶景かな。ランタンの明かりの中で交わす会話はなによりのご馳走。鉄橋を夜汽車が走る光景もまた格別。こうした本格的なカヌーキャンプは出来なくとも非日常的な体験を障がいを持った仲間たちに味わってほしいと2年に一度、「障がい者カヌーフォーラム」を開催し、今年はその7回目を10月26日に行う。

2年前の06年、フォーラムへの参加者が激減した。障がい者自立支援法の影響と知り、仲間たちと愕然とした思い出がある。参加費に加え、会場までの行き帰り、作業所のリフトバスを利用すれば利用料を払わなければならなくなった障がい当事者の自衛策が原因だった。長い期間、体験の機会を奪われてきた仲間たちが窮屈な地域での生活を送っている。同法の見直し時期も間ぢか。果たして今年は何名の参加があるだろうか?

(2008/11/10)



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