「洗濯物の干し方と静電気の防止」〜 猪ノ口幹雄
早く干すこと
洗濯が終わった後は、できるだけ早く干しましょう。洗い終わったものを水につけたままにしておくのは、水道水の残留塩素の影響を受けたり、染料が流れたりしてトラブルの原因になることがあるので、避けたほうが無難です。特に、流水につけたままにしておくことは絶対に避けましょう。すぐに干せないようなときには、洗濯しないのが一番ですが、やむを得ず干さないまま放置してしまった場合は、もう一度軽くすすいでから脱水してすぐに干すと、トラブルが少ないようです。
日光に当てて干すのは気持ちの良いものですが、繊維によっては、直射日光を当ててはいけないものがあるので、注意が必要です。取扱い表示を見て、適切な干し方を選びましょう。
絹、毛、ナイロン、ポリウレタンは、紫外線によって黄変したりもろくなったりするので、陰干しが適しています。また、綿に使われる染料は、日光によって褪せたり変色したりするので、色合いを大切にしたい綿の衣類は、裏返しにして干すとよいでしょう。蛍光増白剤も染料の一種で、直射日光で黄変するので、白物でも注意が必要です。ポリエステルやアクリルは、繊維、染料とも、日光の影響をほとんど受けません。
早く乾かすためには、蒸発面積を広くし、風当たりを良くすることが大切です。シーツや毛布などの大きなものは、太い物干し竿を使ったり、竿を2〜3本一緒に使って蒸発面積を広くすると、早く乾きます。室内干しの場合は、窓を少し開けて空気の通り道を作り、扇風機を利用して洗濯物に風を当ててやると、乾きやすくなります。
また、衣類に静電気がたまると、 身体にまつわりつく、衣類にホコリが付きやすい、着脱時にパチパチと音がする、ドアのノブ等での電撃ショックを受ける、のような不快な現象がおきてしまいます。
静電気がひどくなる一番の原因は、乾燥です。衣類の乾燥を防ぐには、洗濯後の仕上げに少量のグリセリンを加えると、帯電防止に効果があります。着用中の衣類には、グリセリンを少量加えた水をスプレーするのがおすすめです。市販の携帯用帯電防止スプレーの代わりに使えます。
また、衣類の素材の組み合わせによっても、静電気が起こりやすくなります。ポリエステルとナイロンは、もっとも帯電しやすい組み合わせのひとつです。 ポリエステルのスカートとナイロンストッキングの間には、綿やレーヨンの下着を着用するなど、工夫すると良いでしょう。
(2009/01/12)