リレーエッセイ「トホホな携帯電話会社」-佐野武和
とんでもない高額通信費
地域で受ける相談に携帯電話の高額使用の問題がここんところ急激に増えた。家族ぐるみで月に10万円を超える使用料に苦しみ、水道光熱費が3ヵ月以上滞納になっているってな事案が続出しているのだ。障がい当事者が1ヵ月28万円の請求を受けたというのが最高金額であった。
次から次へと機種を変更し、音楽を毎日毎日数曲ダウンロードしてアニメの動画コンテンツをダウンロードした結果だ。悲劇的なのは母親と2人の兄貴も社会力に欠けているため家族4台の携帯使用料は計り知れない。
大阪の橋下知事の肩を持つわけにはいかないが、「小学生の携帯電話禁止」は一理ある。果たして多機能を極めた携帯電話が必要なのかという議論の前に、社会的な力に乏しい人たちにとっては早急な課題整理が必要である。
特に堅く言えば、携帯事業者の利用契約時における重要事項の説明と、認知したかの確認が形式に流れている。長い電話や、たくさんの機能を使えばお金がいっぱいかかる。携帯インターネットにも思わぬ高額な課金がされる落とし穴があり、出会い系サイトなんてのは、本来携帯電話の機能と別物ですよと教える必要がある。
事業者としての責任…
たまたま携帯事業者にこんな話をすると、「一曲『フルうた』をダウンロードすると8千円近くかかるので、『パケホーダイ』やリミッターを設定することをおすすめしています」ときた。結局使わせるための説明であり、解決になってないと反論すると「ほとんどの方が適切にご使用頂いているとの認識です」逆切れのようなお言葉。
理解しないまま利用料が高額になって家庭が崩壊していると告げると「それでは使用中止の手続きをとらせて頂きます。ご本人ですか?」ときた。本人でないが生活の相談を受けているというと「通信の個人情報保護に関わることなのでご本人でないと解約できません」。そんなこと知っとる。事業者としての責任を感じないんかと聞き返した。「責任と申されますと…」
もう腹が立った。「おいらの携帯を別の事業者に変える。本人や、手続きしてくれ!」と吠えると「お客様、それだけは考え直して頂きたいです」。やっぱしそれかい〜!
(2009/02/07)