安心できる食生活-「家庭から始める循環型社会」
捨てられる食品
私たちは戦後の高度経済成長をとおして、限りある資源を大量に使い、大量のゴミを排出する「大量生産・大量消費・大量廃棄型社会」を生み出しました。
今日でも様々な現場で、まだまだ食べられる食品が廃棄され続けています。大手コンビニでは賞味期限が切れる前に廃棄され、外食チェーンでも客が食べ残したものが平然と捨てられています。政府試算では、1年間に食べ残された食品の金額は11兆円余に達するそうで、いかに資源を浪費しているかが分かります。(私たちが食べている食べものの大半を輸入に頼ってしまっているのが現状で、「フードマイレージ」においても問題にしないといけないのですが・・・)
しかし、このような社会構造を根本的に見直して、廃棄されるものを最低限に抑える社会へと転換しようと打ち出されたのが、いわゆる「循環型社会」になります。
畜産ではエコフィード(食品循環資源を活用した飼料)の取り組みがあります。食品加工の際には副産物(おからやしょうゆかすなど)が出てきます。また、学校給食の現場や先に述べたコンビニや外食チェーンでは食べ残しや廃棄される弁当があります。このような食品残渣を有効活用するのが狙いで、飼料自給率の向上や環境保全においても今後注目を浴びることになるでしょう。
工夫次第でゴミ減量
私たちの各家庭から出る生ゴミについてはどうなるでしょうか。各自治体や家庭でも実践が始められていますが、コンポストなどを使用して堆肥化すればリサイクルにも繋がりますし、生ゴミとして出さないように極力使い切るということも心がけるべきことです。
たとえば野菜などは皮ごと調理すればいいですし、魚を捌いた後に出るアラもみそ汁に使えば美味しくいただけます。何でもすぐに捨ててしまうのではなく、工夫次第だということです。
私たちは日常生活を送るなかで様々なかたちでゴミを排出し続けていますが、今一度立ち止まって意識してみて下さい。そうすれば、ゴミを減らしていくこと、または出さないようにすることも可能になってくるのではないでしょうか。一人一人の気の持ちようで変わってくると思います。また、出したゴミがどのように処理(廃棄)されていくのか、想像してみることも必要なのかもしれません。
(2009/03/18)