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食の安全--学校給食と食育 -奥野和夫

安心できる食生活を手にするために

私たちの食生活に多大な影響を与えている「学校給食」。戦後の食糧難の中で全国に普及していった学校給食の主食は「ごはん」ではなく「パン」でした。ごはん、みそ汁、漬物といった日本型の食生活から一変して洋風化した食生活へと移りゆく中で、生活習慣病の増加が問題となり、食生活の改善が求められるようになってきました。

そんな中、2005年の食育基本法成立以降に「食育ブーム」が巻き起こっていきました。2006年には食育推進基本計画が策定されるなど、政府としても食をめぐるさまざまな問題を総合的に解決するために動き出してはいます。しかし、そもそもの根本原因は「学校給食により食生活が変わってしまった」ということに他ならないのです。そういった意味でも、学校給食の担うべき役割は大変だということが窺い知れます。

またこの基本計画では、学校給食が子どもたちの食育に果たす役割が重要視されています。学校給食が「生きた教材」としてさらに活用されるように取り組むことを推進する一方で、学校給食において地場産モノの食材の利用も促しています。子どもたちが食材を通じて地域の自然や文化、産業等に関する理解を深めるとともに、それらの生産等に携わる者の努力や食への感謝の念を育む上で重要であるほか、「地産地消を推進する上でも有効な手段である」とされています。

(2009/07/16)

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