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リレーエッセイ「もっとゆっくりしたい支援」 -佐野武和

金が絡んだお誘い

ぽてとファームを退職したスタッフが、メンバーを誘ってお出かけしている。これまで退職した健常者スタッフが、その後障がい者の関係で再び働くことはおろか、なんらかの関わりを続ける例はまずない。しかしこれが福祉サービスと知って少し複雑な思いだ。

市町村支援事業の外出支援で、退職後もヘルパーとして登録しているかららしい。お金が絡んだお誘いであることに何かしら気分がすっきりしない。かつて他人介護は、すべてが無償だった。やがて重度の自立生活者は生活保護の他人介護の大臣承認を受けて有償制を開始する。しかしこの時は、あくまで障がい者自身へのダイレクトペイメント(直接支払い)的であった。その後、ヘルパーの自薦の仕組みを活用し、支援費、自立支援法と一気に介護が有償福祉サービス化してきた。「社会が、共生理念で支える」という理念からほど遠くなっていくのが悲しい。

仕事前に泣き出すメンバー

不況の中で、とにもかくにも仕事量を確保して乗り切っていこうとすると、多くのプレッシャーと不満を障がい当事者にもスタッフにもかけてしまうことになる。余裕を持って仕事を組み立てたいところだ。がむしゃらさも事業の1シーンとして必要なときがあるが、働くことの意味をいつも念頭に置きながらも、「厳しさとはそういうもんだ」と開き直ってしまっては、「こりゃダメだ」ということになる。

(2009/08/10)

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