リレーエッセイ国政にも障がい当事者を -村上博
真の政権交代とは
60数年にわたる自民党政権が瓦解した。4年前、自民党は300議席を獲得。公明党と合わせ、衆議院の3分の2を占めた。政権交代が起きやすい制度と言われる小選挙区制度だが、その後なかなか政権交代は起きなかった。
ところが、私が議員になってからでも10年間、障がい者自立支援法に象徴される当事者抜きで進められる自公政権の政治に苛立ちを感じ続けてきた。やっと政権が交代した。民主党の308議席はまさにオセロゲームのように小気味よく、本格的な政権交代の歴史的瞬間に立ち会った。
私は夢想に近い想いでこの10年間、政権交代を待ち望んできた。衆院選から2ヵ月、事業仕分けなど政権交代の実感が伝わってくる。しかし、本当の実感は、地域で暮らす障がい者が普通に暮らせることを実感したそのとき、初めて本物となる。
18年前の挑戦
90年代の初め頃、地域で自立生活をする障がい者は少なかったし、施設を出て街で暮らすには大変な覚悟が必要だった。91年の統一地方選挙で、「熊本市議会初の車いす議員を!」と訴えて仲間のTさんが立候補した。Tさんは2700票余りを得票したが、約400票差で当選できなかった。しかし、その立候補が熊本での障がい当事者が政治に、行政に声を上げていいのだ、という意識変革のターニングポイントとなった。
(2009/12/23)
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