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▲八幡隆司さん

▲埼玉県越谷での避難所一泊体験

特集:「防災」 -キーワードに地域との繋がりを!

できることから始めよう!

ハイチ大地震では、首都崩壊にいたり、23万人とも言われる犠牲者の出る惨事となっています。スマトラ沖地震も記憶に新しい所で、100年に1度といわれるような災害がこの数年多発しています。いつ自分の街で大災害が起きても不思議ではないと、防災への取り組みを進める所が増えてきています。

防災は、いざというときに備えるという意味ですが、一方で人と人を繋げ、世代を超えた人間関係をつくり出せる重要なキーワードともなっています。ゆめ風基金が発行した障がい市民防災ハンドブック『こんなんええやん』は、防災を通して高齢者や障がい者などの要支援者を含む地域の繋がりを創り出そうとしている実践例がたくさん報告されています。

編集を担当した八幡隆司さんに、ゆめ風基金15周年を振り返りながら、防災活動の今を語ってもらいました。八幡さんは、「こんなことだったらすぐにできそうだと思ってもらえたら幸せだ」と語っています。(文責・編集部)

まず、行動を起こすこと

阪神淡路大震災から15周年です。神戸の追悼イベントでも「語り継ぐ」ことが強調されていますが、一体何を語り継ぐのか? が明確ではありません。災害の恐さや傷跡の深さも重要ですが、むしろ「支え合うことの強み」が見直されるべきではないでしょうか。

現代社会、特に都市部では、地域の支え合いや繋がりが希薄になり、障がい者や高齢者など支援を必要とする人々が、さらに孤立化しています。特に障がい者に関しては、福祉施策が「障がい者自立支援法」に変わって以降、障がい者を取り巻く人が、ヘルパーや作業所の職員などの福祉関係者だけになってしまっているのが現状です。近所の人が声をかけたり、街の人が車イスを一緒に抱えたりという繋がりが、逆になくなっているのです。

障がい者自身も、この間制度が目まぐるしく変わったので、「政府」と闘うことに忙しく、地域の人々に発信し、共に行動する機会を失っています。だからこそ「防災」を共通語にしてもう一度、地域と深く繋がっていくための具体的な方法を編み出す必要があります。

「障がい者の防災」というと、一方的に「助けられる側」と考えられがちですが、双方向の助け合いの主体としてある障がい者の存在を知ってもらうことも大切です。

06年発行の『障害者市民防災提言集』では、災害の際に実際困ったことや国や自治体の防災対策をわかりやすくまとめ、「どうすれば被害を抑えられるのか?」について15の提言を提起しました。でも、「防災は大切だけど、何をしていいかわからない」という声が数多く寄せられ、じゃぁ地域がどのように取り組むのか? その実例を交えて提言しようということで、新たにブックレットを発行しました。

防災の第1歩は、行動を起こすことです。講演会や学習会の前に、親しい数人で具体的な行動を起こし、次の行動に繋げて欲しいと思います。 

(2010/03/20)

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