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時の流れを感じた春 -村上博

三男の自立と還暦同窓会

公立中学入学式への議員参列と日程が重なり、三男の入学式に参加出来なかった。自宅から自転車で十分通える距離だが、三男は寮に入る選択をした。「このまま親子三人の生活を続けると僕は腐ってしまう」というのがその理由だ。12歳にしての“自立宣言”だ。心底、大事に思っているので、ダメ親とは思いたくないが、自分の成長のためには、私たちの存在は障壁、との宣告に他ならない。

寮に送り届けた帰りの車の中では夫婦無言。私の口からため息ばかりが出る。とうとう妻から「淋しいのはあなたばかりじゃなかとだけんネ」と一喝された。とは言うものの、淋しいものは淋しい。やはりダメ親父だ。

中学校の同級生たちと還暦同窓会に参加した。「藍より青い」と表現され、朝の連続ドラマの舞台になったこともある天草のホテルに全国各地に散らばった同級生たちが集い、泊まりがけで行われた。

20歳の成人式、41歳の厄入りなど、これまでも節目ごとに行われてきた同窓会だが、中学校卒業以来44年、容姿は当然ながら、時間(時)の経過は人を変える。中学時代の容貌をかろうじて留めている者もいるが、あまりに変わりすぎ、息をのむほど変貌を遂げている者もいる。あまり人のことは言えない。「車いすだと頭のてっぺんの薄いのは一目瞭然、意識しといてね」と普段から妻に言われ続けているからだ。

しかし、何年経とうとも、想い出話で大いに盛り上がり、「博クン、よしこちゃん」と呼び合えるのが同級生でもある。

(2010/05/27)

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