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▲桜塚高校の食堂で授業前に夕食をとる清村健人さん

▲体育の授業も受ける。バトミントンの時間で、健人さんもできる範囲で参加しようとしています。

特集:障がいのある生徒も普通に学校に通える社会を!

「高校に行きたいねん!」─桜塚高校・清村健人さんの高校生活

重度脳性麻痺の清村健人さんは、一昨年3月、吹田第2中学を卒業し、1浪の後、桜塚高校定時制(豊中市)に合格。高校生活をスタートさせました。高校は中学校とは違い、選抜試験という厚い壁があるために、知的障がいをもつ生徒の入学は、とても困難です。

大阪府では、4年前に「知的障がい生徒自立支援コース」が設けられましたが、募集人数が少なく、狭き門となっています。また、そもそも別なコースを作り、「分けている」点で、インクルーシブ教育とは言えません。

「点数がとれなくてもみんなと一緒に高校へ」という多くの人々の願いと活動で、高校進学の夢がかなった清村さんですが、様々な課題も見えてきました。桜塚高校を訪問して、健人さんの高校生活を取材しました。(編集部)

難しい選択

健人さんは昨年、吹田高校を受験しましたが、不合格となりました。「絶対入れてくれるはずや!」と本人は思っていたようですが、「世の中の厳しさを思い知ったようです」(母・順子さん)。

一年間浪人生活を送り、再度、「一般高校を受験する」と決めた健人さんは、高校見学や在校生と交流できる機会を積極的に求めました。

池田北高校では地域福祉の授業、吹田高校では演劇部と交流し、さくやこのはな高校、東淀川高校も見学しました。

健人さんは迷いながらも、様々な要素を判断した結果、「@可能性がほとんどない吹田高校か、A入れる可能性の高い定時制の高校か、どっちか?」と順子さんに問われ、定時制を選択したのでした。

あらためて定時制4校(春日丘、都島工業、桜塚、大手前)を見学しましたが、教頭先生の真摯な態度に感激し、桜塚高校を第1志望に決めました。

健人さんから「高校行きたいねん宣言」を手渡された教頭先生は、「こういうものを頂くのは初めてです。うわぁー、嬉しいなぁ」と言ってくれたそうです。

1132番を見つけて

母校の校長先生や担任の先生の応援もあり、過去の問題を解きながら受験の準備。受験・合格発表を迎えました。受験番号の「1132」を見つけた時は、「本当に嬉しくてぼーっとしていたら、健人に『早く教えろ!』といわれた」(順子さん)そうです。

志望校決定の決め手となった桜塚高校の教頭先生は、残念ながら他校に転勤となりました。新しく着任された教頭先生も「手探り状態です」といいながら、何ができるのか?を精一杯探そうとしている姿勢がよく伝わります。

(2010/06/10)

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