吹田の生き物と人27-アカミミガメとイシガメ -高畠耕一郎
産卵のために陸地に上がってくるカメ
6月中旬、西山田にある高町池遊歩道を早朝に散歩している人が、カメが池から出て反対側の斜面を登りかけているのを見て「カメさん、池は反対側だよと」親切にも池に戻してあげたそうです。しかし、これは、カメさんにとっては有難迷惑でした。恐らくそのカメは、産卵のために陸地にわざわざ上がっていき、草むらの中で土を掘って卵を産もうとしていたのです。
私たちが、6月中旬に千里ニュータウン内にあるピアノ池のヒメガマ狩りをしている時も池の斜面が獣に掘り返されて、カメの卵の殻が散乱しているのを見ました。
カメはハ虫類なので、陸地に卵を産みます。ウミガメも海中で一生を過ごしますが、産卵の時だけ、陸地にあがってきます。
外来種のアカミミガメ
吹田の大きなため池には、カメがいることが多いですが、大半はミシシッピアカミミガメ(以下アカミミガメ)です。名前の通り、もともとはアメリカやメキシコに生息しているカメですが、吹田では日本産のカメ類より圧倒的に多く存在しています。このアカミミガメがなぜこんなにも日本のため池や川に多く生息しているのかというと、最近まで、夜店やペットショップ、あるいは景品として「ミドリガメ」という名前で安く売られたり配られたりしていたからです。それらが大きくなり、飼いきれなくなると池や川に捨てられて増えていったのです。
アカミミガメの特徴は、目の横に赤い斑点があることです。雑食で魚や貝、水草、人間の食べる野菜やパンなど、何でも食べます。ペットとして飼うと慣れやすく、人の手からエサを食べたりもするようですが、活発で気の荒い性質も併せ持っています。
(2010/06/10)
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