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リレーエッセイ:日本の夏・政治の夏? -轟広志

政治家は何故に政治家をやっているのか?

今年の夏は本当に暑かった。7月の参院選での結果は完全な「ねじれ国会」を生む結果となった。

小泉内閣以降の安倍、福田の2人の総理が突然の辞任を表明した時と同じ状態。なんとか与党はその地位を保っているが、昨年の政権交替は何だったのか? 政治家は何故に政治家をやっているのか? やはり基本は食うためなんだろう。それはそれで構わない。しかし、選挙で議席数をかせげば仕事は終わったような議員も多い気がする。

これは私個人の考えで、政治の専門家が聞いたら笑われてしまうかも知れないが、先の小泉内閣の際に郵政民営化、障害者自立支援法が実施決定となった。

当時の福祉業界・障がい者団体はひっくり返る騒ぎとなり、正体の見えない法律施行に、恐れおののいた。

今になってみれば、郵政民営化も自立支援法も国や政府がやるべき公共事業を放棄したのでは?と思える。

郵政民営化では、街のポストが無くなったという話を聞いた。自立支援法では多くの授産施設が閉鎖になったと聞いている。私のまわりでも応益負担や利用料などの言葉が飛びかった。

法を利用した「悪徳ビジネス」

でも事実は、本来社会保障であるべき福祉分野を「民営化」し「福祉ビジネス」にすり替えたような気がする。少子化・高齢化が進むなか国内需要は膨大である。

結果、群馬の老人収容施設の火災事件や、東京都民でありながら、山梨県の旅館に行き場のない老人を収容し、経営者は都から払われる収容者の生活保護費をそれこそ好きなだけ搾取していた。法的基準に満たない施設でも、もう都内には行く場所はない。そんな業者に役所が収容者を紹介していた。経営者は「行き場のないコイツらの面倒を見て、人助けをしている」とうそぶく。

いつまでも無くならないヤミ金融でも、今や生活保護費受給者が狙われている。雇用の安定しない派遣労働者よりも、市町村の保障で収入が安定しているから。

今や借金は借りる方ではなく、貸す方が悪である。正規の金融業者は法的措置で厳しい縛りをかけられ、貸し出しを絞っている。そこにヤミ金融業者がつけ込む。

どうも悪知恵が働く人間は、同類同士で呼び合い、呼応するものらしい。自立支援法が施行されてから悪徳福祉ビジネスで荒稼ぎしている輩がやたら多い。法を利用した悪事にとても頭が切れるようで本当に恐ろしい。呑気に選挙結果を危惧している場合ではない。

小泉元内閣総理大臣様。あなたが総元締めなんですか?

(2010/10/06)

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