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リレーエッセー:何度でもチャレンジできることが大事 -村上博

驚異の就職率

ぷくぷく福祉会の理事長でもある馬垣安芳さんらを招き、私が実行委員長として11月下旬に行う「障がい者就労支援シンポジウム2010」の打ち合わせと現地調査を兼ね、10月中旬、大阪に行った。

「すいた障がい者就業・生活支援センター」を訪ねたとき、丁度、大阪府立たまがわ高等支援学校の先生が、職員研修の打ち合わせに来られていた。同支援学校は、4年前に少子化の影響で廃校になった高校をリニューアルしてできた学校だ。

最初の卒業生の就職率が8割、そして今年はなんと9割。一般の高校生たちが約5割だから、同支援学校の就職率がいかに高いかがわかる。橋下徹大阪府知事が同校を訪問し、取り組みを絶賛したとの新聞記事のコピーをもらった。理由は、入試による選抜。その後徹底した職業教育を行う。高い就職率が保護者には魅力(?)なのか、大阪市を除く府下の学区全域から応募があり、2倍近い競争率だという。

筆記試験、手先の器用さの試験、そして面接で選抜された優秀な生徒たちを就労に繋げるカリキュラムの成果なのだろう。

休憩したっていいやん!

それも、ありかもしれない。だが、そんな優秀な障がい者ばかりではない。翌日、大阪で障がい者の就業に関わる人たちに会ったが、彼らは、「職業的」重度の人たちにどんな支援を行い、どうしたら就業に結びつけられるか、いかにして企業を開拓するかを、熱っぽく語る人たちだった。せっかく就職しても離職する障がい者だっている。「休憩したっていいやん!何度でもチャレンジ出来ることが大事なんちゃう」と語る。

高い就職率に驚く一方で、離職を「休憩」と表現する人たちの存在にほっとした。わが家の長男も、ずーっと「休憩中」だから。

(2010/11/29)

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