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▲千里丘ケヤキ並木(撮影・高畠) 傘状に広がる美しい樹形

吹田の生き物と人32-ケヤキ -高畠耕一郎

街路樹として人気NO1

吹田市では、ケヤキが街路樹として一番多く植えられています。1位・ケヤキ3511本、2位・イチョウ2284本、3位・クスノキ1330本(NPO法人すいた市民環境会議調査)となっていて、圧倒的な1位です。

特に、ニュータウンの南千里から山田駅・北千里駅に向かう道路沿い(「千里けやき通り」と呼ばれている)や万博周辺道路、青葉ヶ丘南〜樫切山(千里丘あおば通り) 等には大規模に植えられて、立派な街路樹として育っています。春は新葉が美しく、夏は扇形に拡がった大きな傘状態の木陰をつくり、暑い日差しを防ぎます。また、秋には紅葉、冬は、その拡がった枝がほうき状のきれいな樹形になるので、街路樹として人気があります。ケヤキの語源も、「けやけき(際だって美しい) 木」からきているようです。

材木も、日本の広葉樹の中では第一の良材として、古くから建築材や家具材、建具材として使われ、寺社建築材などにも幅広く用いられています。また、木目が美しく丈夫なため、旧家の床、天井、門に使われています。吹田市の山田村旧家には、長屋門として1枚板の大きなケヤキが使われており、そうした旧家がいくつもあります。

ケヤキは、大木にもなり、大阪能勢町にある「野間の大ケヤキ」は、全国4番目の巨樹として知られ、説明板にも幹周り14メートル、樹高36メートルと書かれています。私もこの近くを通るときは必ず車から降りて、この大ケヤキを眺めます。吹田市では、関西大学校内にある幹周り280センチのケヤキが最大です。幹周りが2メートル以上のケヤキは、吹田市内で21本見つかっています。(冊子・吹田の古木大木より)

落葉に込められた秘密の技

これから紅葉が過ぎて晩秋に向かう季節になると、ケヤキの落葉が始まります。その時、数枚の葉がついてケヤキの枝ごと落下しているものに注目して欲しいのです。この枝に付いている葉は他の葉に比べて小さく、しかも葉に付いている枝も短くなっています。しかも米粒ほどの小さな黒茶色のものがいくつも付いているのがわかります。これは、ケヤキの果実(種子)です。数枚の葉がプロペラや落下傘の役目をして、この種子をできるだけ遠くまで飛ばすのです。自分の子孫をできるだけ遠く離れたところにつくるために出来ている種子散布の方法なのです。この秋、ケヤキが葉を落とし始めたら、この枝付き葉っぱを探して、種子を見つけてください。

(2010/11/29)

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