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▲趙さんのアトリエ「コラボ玉造」にて

▲上から:馬垣安芳、趙博さん、入部香代子

新春座談会:激動の年にどう立ち向かうか?

政権交代・障がい者制度改革推進会議・自立支援法改正…

新年明けまして、おめでとうございます。誰もが今年こそはよい年に、と願う正月ですが、楽観はできないようです。新政権への期待は急激にしぼみ、ねじれ国会は混乱の度を強めるでしょう。こうした激動の時代にどう立ち向かうのか? コラムをお願いしている趙博さん、編集部の入部香代子、理事長の馬垣安芳で、新春座談会を行いました。(文責・編集部)

変化の期待と現実

馬垣: 新年早々厳しい話になります。一昨年、民主党が政権を獲得し、障がい者施策では自立支援法廃止を明言し、「障がい者制度改革推進本部」が設置されました。同推進会議室長には車イス当事者の東俊裕さんが就任し、委員も半数以上が障がい当事者かその家族という構成で、とても期待できる内容でした。

ところが、参議院選挙で民主党の惨敗により「ねじれ国会」となり、どんでん返しで、前国会で廃案になった自公案の自立支援法「改正」案が、再提出され、一字一句修正されることなく通過してしまいました。障がい者施策は、激しい変化を見せているのですが、世間では、全く注目されていません。

趙:沖縄の基地問題と同じですね。民主党への期待が、裏切られています。最重要視されていた労働者派遣法にしても、全く進展していません。

結局政権交代というのは、悪者@が悪者Aに変わっただけでした。民主党に期待した人は大いに反省すべきでしょうし、本当に期待したのならもっと怒るべきです。

入部: 豊中市でも「事業仕分け」が行われました。しかし著名人・文化人が中心で、市民は少数です。これでいいのかと疑問をもちました。新政権を真似たイベント的「事業仕分け」が流行っているようです。

「公正」の陰で

馬垣:吹田市でも「全事務事業ゼロクリア大作戦」と銘打って、全事業の見直しを行い「スクラップ&ビルド」(複数の事業を潰して新たに1事業を構築する)を進めています。障がい福祉関連事業は、3ヵ年で、全て白紙に戻して、再構築すると言います。しかも副市長を筆頭に幹部のみでぜロクリア推進委員会を構成して進めるので、非常に危機感をもっています。

障がい当事者の生活実態や親の願いを訴え、40年かけて創り上げてきた福祉施策の意義や問題点を、現行の職員が本当に把握できているのか? 疑問です。市は、@財政難と、A公正な財政支出を目的にしていますが、その「公正」の中身こそ問われなければなりません。

吹田市は、引退した0系新幹線を無償で貰い受け運搬・保管設置する為に約4000万円もの公金を使う一方で、障がい者相談事業は1事業所あたり150万円カットになり、障がい者共同作業所への補助金も府・市とも打ち切ろうとしています。

吹田市だけでも来年度、30人近く、再来年度以降は60人近くの障がい児が、特別支援学校(旧養護学校)を卒業して社会に出て行きます。彼・彼女らの活動の場として作業所は作られ、増えてきました。その必要性は今も変わりません。

(2011/01/31)

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