特集:市長候補に聞く-「吹田の障がい福祉」
「福祉の吹田」はどうなるか?
4月下旬に吹田市長選挙が予定されています。去る3月11日、立候補を予定している4人の方をお迎えして、「障がい者福祉」に関する考えや進めたいことを聞く集いが行われました。
民主党政権が明言した自立支援法の廃止は不透明となり、行政改革という美名のもとで福祉の切り捨てがどんどん進んでいます。大震災は、否が応でも日本社会の見直しを迫っていますが、そうした中でこそ、障がい者が地域で生きる保障と、その前提となる情報保障は、重要なテーマであるはずです。
参加された市長立候補予定者は、石川勝さん・井上哲也さん・阪口善雄さん・正森克也さん(50音順)。コーディネーターは、 入部香代子。最初に各候補者に自己紹介をかねて立候補の想いを語って頂き、その後、実行委員会が用意した質問に答えて頂きました。限られた紙面で全てを紹介できませんので、「地域生活支援の充実」、「インクルーシブな保育・教育」についての各氏の発言を紹介します。吹田市政の行方を見定め、新しい市長を選ぶ参考にして頂きたいと思います。(文責・編集部)
地域生活支援の充実
入部: 吹田市民である障がい者が、生まれ育った吹田市で安心して生活していく上で、どのような制度や施策が重要だとお考えでしょうか?
正森: 日中活動の場にせよ、ホームヘルプ・ガイドヘルプにせよ、全般的に不足していると認識しています。「障がいのある娘の今後を考えると、夜も眠れない」と語る高齢になった母親の話を聞いています。暮らしの場と24時間支える支援の整備が必要だと考えています。
また、障がい者の日中活動の場となっている作業所への支援が打ち切られる事態となっていますが、今年の4月にもすぐに卒業する人たちもいますので、早急に受け皿づくりをしなければならないでしょう。
石川: 強い人がいるから弱い人を支えられます。街が自立するには、まず強い人を作る必要があります。強い人によって経済力を高めて財源を確保します。
障がい者支援の最重要課題は雇用です。子どもの頃から就労のための訓練支援を提供し、障がいを乗り越えて強い市民になっていくための支援を行います。
生まれ育った街で暮らしたいと思うのは、全ての人の願いです。地域で暮らすための住居、雇用を創り出していく支援に力を入れます。
阪口: 吹田の福祉は、日本一だと言われてきました。例えば、自立支援法施行当初から利用者負担を市独自の支援で半額にし、翌年には1/4にし、さらに非課税世帯については無料化しました。また、日中一時支援事業の委託費を倍増し、グループホームの家賃補助等も行ってきました。障がい者支援交流センター・あいほうぷ吹田は、重度障がい者の医療ケアもできる施設で、他地域からも見学に来る施設です。こうした施策をこれからも充実させていきます。
井上: 私は「障がい者施策検討委員会」(仮称)の設置を公約しています。行政の立場ではなく、当事者のご意見をしっかり聞かせて頂くことが重要だと考えています。そうしたニーズに沿った維持と改善・拡充をしっかりやらなければなりません。官は官として、民は民としてしっかり協同して障がい者施策を充実させていきたいと考えています。作業所については、地域活動支援センターV型への移行を、交付税の有無にかかわらず、地方自治体がしっかりやっていかねばならないことは、言うまでもありません。
(2011/04/25)
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