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吹田の生き物と人40トノサマガエル 高畠耕一郎

トノサマガエルを見かけなくなった

吹田でカエルを最近見たことがありますか? 私は、いろんなところに出かけますので、まだ見る機会がありますが、吹田ではカエルを見たことがなければ、触ったこともない子どもたちが増えています。特に大型カエルのトノサマガエルを見かけることが少なくなりました。

私が吹田でトノサマガエルを見つけたのは、吹田市北部・モノレール「宇野辺」駅近くの田んぼです。写真はそのカエルです。その他で、見かけたのは、服部公園近くの春日町、千里山松が丘、紫金山の田んぼ、そして万博公園などの限られた場所です。このように吹田では、トノサマガエルを見かけることは本当に少なくなりました。

それもそのはずで、カエルが棲めるような田んぼなどの水辺環境が、吹田市内には、ほとんどなくなっています。さらに農薬の影響で、カエルの餌になるような小さな生き物も極端に少なくなっているためでしょう。カエルは、池では食物連鎖の上位にいて小さな魚や昆虫を食べるのですが、逆に、小さな餌が少なくなるとすぐに絶滅してしまいます。カエルのように、水と緑地の境目に生きているような生き物は、都市化された環境では、生きていくのに大変つらい状況にあります。

殿様ガエル

トノサマガエルは、「殿様ガエル」のことで、前足を踏ん張った姿が偉そうで、威張ったように見えるので、「殿様」の名前をもらったようです。また、カエルという名前は、トノサマガエルの鳴き声「ケエーロ・ケエーロ」が「帰えろー」に聞こえ「帰る(カエル)」になったと言われています。

ウシガエルは増えてきた

濁ったコンクリートに囲まれた池などで、大型のオタマジャクシが泳いでいるのは、「ウシガエル」という大型のカエルの子です。日本には、大正時代にアメリカから食用ガエルとして輸入され養殖していたものが逃げ出して、日本中に広がったようです。このカエルは、産卵数も多く、水質の悪いところでも力強く生きています。動くものなら何でも食べてしまう力強いところがあって全国に繁殖池を拡げてしまっています。

ツボカビ症でカエルは絶滅?

世界中のカエルが絶滅するというニュースが数年前に大きく報道されました。それは、「ツボカビ症」というカビの仲間が原因の病気が世界各地で広がったためです。池などの閉ざされた水の中で生活している両生類などは、ツボカビの感染がすぐに池全体に広がり、その池のカエルが全滅するというのです。それが日本にも侵入したと言うことで、大騒ぎになったのです。人間には影響ありませんが、カエルなど両生類には大きな影響があるので、日本野生動物医学会、日本爬虫両棲類学会、世界自然保護基金(WWF)ジャパンなどが、2007年に緊急事態宣言を共同で発表するなど大きな話題になりました。

もし、カエルなどの両生類が絶滅したら、カエルやオタマジャクシを主食にしていた魚や野鳥にも大きな影響を与たり、逆にカエルの餌になっていた昆虫が大量に増えることで、農業にも大打撃を与える可能性も出てくることが指摘されたのです。

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