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当事者リレーエッセイ なにやってんだ科学の最先端!!!! 佐野武和

言い知れない自然の驚異的破壊

3月20日、ポンコツ1dボンゴで福島県南相馬に入った。郡山で物資を降ろした後のわずかな物資とガソリンを市役所の福祉課に届けた。案内された相馬港からの海岸線は、言い知れない自然の驚異的破壊だった。興奮してデジカメで動画を撮影した。

実は帰ってきてから何度かの報告会で、涙が出てきて困った。伝えきれない自然と人間との力の差、一瞬で暮らしや命までも消えうせる悲しみに対して整理がつかないテンションとなり、しばらく苦しめられた。

南相馬市役所の福祉部長に、もう一度2dトラックで支援を届けることを約束したが、複雑な思いがもうひとつあった。原発事故だ。何が起こってるんだとすべての人が懐疑しているのに、科学の先端はお粗末な発表を繰り返し、不安を増長させていた。そんな中でがんばれよといえない福島の状況に苦しんだ。結果、その後3度にわたり東北入りし、特にALS協会福島からの初動要請のあった物資を届けることになった。

科学的な情報が開示されない

福島原発事故は、津波が発生してからおおよそ5日間で、建屋の爆発破壊、何基かのメルトダウン、放射能の大気への放出、放射能汚染水の海洋流出を最大に発生させた。その後も放射線放出の脅威は続いているが、この5日間の最大放射線放出が、現在の汚染を引き起こしている。

しかし、科学的な情報が当初から開示されなかった。避難の誘導は同心円であったし、モニタリングは圧倒的に数が少なく、屋上で計測したり地上であったりと計測基準が曖昧だった。後の数値発表も自治体レベルだ。

病院のレントゲン技師が、個人の放射線計測バッチで管理されているように個人のモニタリングを数多く集計すべきなのだ。、おなじ郡山にいても行動様式と、ホットスポットに近づくリスクは個人によって違う。個人や小集団レベルで汚染源からの退避、細やかな除染作業が不可欠だったのだ。

最終的には下水の最終処理汚泥となって現れ、悲しいかな野菜や飼料を経由して人間の中に体内蓄積されることになる。私は科学者でない。高校の化学は赤点ばかりであった。「何やってんだ!科学者たち、先端技術者たち」と言いたい。

最近、汚染除去循環装置の破れたホースから大量の海水が吹き出ている写真をみた。どこが「漏水がみられる」 だ。明らかに致命的な設計施工が間違っている。もう何も信じたくないくらいだ。

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