当事者リレーエッセイ:車いすの目線を持つ一市民として 村上博
4選ならず・・・
4期目の市議選に失敗、 前℃s議会議員となってしまった。厳しい選挙とは思ってはいたが、選挙は甘くない。
3町と合併した熊本市は、2012年4月に、5つの区を持つ政令市へ移行する。次回からは区ごとの選挙だ。全市1区、市内全域に広がった草の根運動として当選できた私だが、区単位の選挙になれば、当選は難しくなる。しかし、それは次回から、と思っていたのが大きな落とし穴。現実は、既に区ごとの選挙が始まっていた。
12年間の議員生活で強く感じるのは、障がい当事者議員の存在価値の大きさだ。全国すべての議会に、最低1人は居てほしいと感じるほどだ。凄い経験をさせてもらった。今後は一市民として市政への関わり方を模索している。
車いすの目線で見た災害支援
このリレーエッセイでもおなじみ、滋賀・ぽてとファームの佐野武和さんを招いて、東日本大震災の現地報告会を行った。準備期間が短く、会場一杯とはならなかったが、3・11から1週間後に現地に入った佐野さんの話と映像には、参加者一同息を飲んだ。佐野さんは、主に福島県を中心に現地が必要とする支援物資を20回近く運んでいる。福島は、地震、津波に加え原発のメルトダウンによる放射能汚染が深刻だ。ガイガーカウンターの数値が尋常ではない。報道番組や新聞などで知ってはいたものの、身近に聞く話は想像以上だ。
さらに、避難所にも仮設にも障がい者は居ない、と言い切る佐野さん。障がい福祉課の課長さんも来ていたが、いつの間にか姿が見えなくなっていた。熊本市の取り組み、意識に危うさを感じた。トホホ。
先生たちの車いす講習
小学校の先生たちの人権に関する校内研修の講師を頼まれた。担当の先生と打ち合わせている時、ひょっとして、参加する先生たちは、「また人権の話?」という感じですか、とざっくばらんに聞いてみた。「実はそうなんです」と担当の先生。「わかりました。車いす講習をやりましょう。車いすスラロームリレーもやりましょう」と私。...続きは本紙ご購読をお願いします。
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