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特集:障がい者の一般就労に向け会社設立

来年4月、プラスチック容器やペットボトル・缶類など資源化物の選別作業を行う知的障がい者の一般就労の場が始動。今年10月にはいよいよ一般募集に向けた就職説明会も開かれます。鰍ォるとは、豊中市伊丹市の支援を受けて今後、「豊中伊丹スリーR・センター」の分別作業を行う知的障がい者30人の採用や実習訓練を行い、さらに障がい者が働く組織として、障がい者の自立と就労意識・就労機会の拡大をめざします。鰍ォると社長・中村知さんと事業統括部長・入部正也さんにお話を聞きました。

毎日、行きたくなる会社

―鰍ォると設立の目的と経過は?

中村: 毎日行きたくなる会社。ボーナスが出る会社が目標です。社名の「きると」には、「繋ぎあわせて創作・表現する」という願いが込められています。障がい者の働く場を創出し、就労意識の向上と自立を実践できる事業体となることが基本理念です。障がい者が自立するための基礎となる「雇用の場」の確保は、非常に厳しいのが実情です。そんななか私たちは、豊中市と伊丹市の福祉・労働担当部局と連携して、知的障がい者の一般就労の場づくりを進めてきました。

―一般就労ということですが…

入部: 一般就労にこだわるのは、福祉的就労と違い労働基準法が適用されるからです。最低賃金以上の給料が保障され、社会保険や賞与・年次有給休暇もある労働です。それゆえ、作業効率が求められ、しっかり利益を生み出す働き方をしなければなりません。また、親や周りから言われてではなく、自分自身の中に働く意欲があり、職場の仲間とコミュニケーションできる社会性が大切です。少々しんどくても頑張ろうとする姿勢や、職場の仲間と仲良く挨拶し、報告・連絡・相談ができる能力が大切だと思います。

―「スリーR・センター」の設立経緯は?

入部: 障がい者雇用の場を作っていくための取り組みは、2007年の「障がい者雇用検討委員会」で決められました。豊中・伊丹市が共同で運営するゴミ処理施設=クリーンランドが、30年を過ぎて老朽化し、新炉の建設構想(2002年)がもちあがったのがきっかけです。2000年には「障がい者雇用の実態調査」が行われ、障がい者雇用が進んでいない実態が明らかになったという背景もあります。2007年に発表された新炉建設計画で、公設民営方式(行政が建設し民間会社が運営する)による実施が決定され、計画の一部として「障がい者一般就労の場の確保」が盛り込まれました。新炉の建設・運営事業を落札した日立造船グループは、SPC(特別目的事業会社)を設立し、事業計画に盛り込まれた障がい者雇用のための事業運営について検討を始めました。雇用形式については、3つの案(@直接雇用方式、A運営会社の構成員方式、B独立方式)が提出され、行政・障がい者団体・SPC代表が話し合った結果、B独立方式が採用されました。

自立のための意気込みと覚悟

―株式会社にした理由は?

中村: 独立方式は、障がい者への十分な配慮が期待できることや、将来の就労拡大などの取り組みを継続することができるというメリットがある反面、請負契約となるので、事業の安定性が確保されず、最悪の場合、倒産する場合もあり得ます。

結局、両市の福祉団体が中心となって株式会社を設立し、SPCと委託契約を結んだうえで、業務を行うという独立方式を選択しました。

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