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当事者リレーエッセイ:荒れ模様の新年に未来を探す 轟 広志

行政の影響を実感昨年を振り返る

新年明けましておめでとうございます。

というものの、これを書いているのは昨年の月。

新総理と新内閣が発足し「大阪秋の陣」と騒がれた大阪市長選挙と府知事選挙のW選挙が終わってしばらくたった今日この頃。

W選挙の結果については色々と思う事もあります。障がい者という身になってから行政が生活に少なからず影響するのを実感しているからです。そういう意味では今から来年度にかけて大阪府行政も新内閣も本格的に始動していくのでしょう。「新しい大阪と日本のはじまりですよ」とアノ人のしたり顔が目に浮かぶ…。

これをお読みの頃には、東日本大震災からちょうど10ケ月がすぎる頃だと思います。最近(11年12月現在)震災時から福島第一原発の修復作業を指揮されていた方が健康上の理由で現場を離れ、新たな指導者に代わられたそうです。

野次馬根性と思われても構いません。現場から離れた方の健康上の理由と、復旧作業に関わるうちに浴びてしまったと思われる放射線の因果関係も明らかにしてほしい気がします。「個人情報だから公表できない」という事も理解できますが、事故発生時から対応してきた方の状態をキチンと公表する事も大事な気がします。しかし何事も事実が明らかになるには、何故かそれ相当の時間がかかるようです。

試される私たちの繋がりと底力

読んでいるブログに興味深い話がありました。第一原発から立入禁止のキロ圏内に単独で侵入した人が、がれきが崩れた無人の道を車で走行中に、大きなダチョウと遭遇したそうです。動物園で飼育されていたダチョウが檻から出れず、餌も与えられないまま死んでゆくのを見かねた人が、檻から放したのでしょう。「まねき猫通信」でも、避難所に障がい者がいなかったという記事を読みました。無理からぬ事と思います。極端な表現ですが、がれきの中を歩きつづけるダチョウのように、被害の少なかった他の府県に身を寄せてでも、お元気でおられる事を祈って止みません。

そして、すんでの所で命を落とさずに済んだ被災者の皆さんも、行政や世界中からの援助を受けて、お元気でおられる事をお祈りいたします。

話は変わりますが、オーストラリアを縦断する過酷なソーラーカーのレースが開催されアメリカを代表とする強豪チームに、日本チームは1時間以上の差で優勝したそうです。日本の技術・物作りはまだまだ健在で、本当の意味で未来を支えていくと少し嬉しくなりました。

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