ぷくぷくの会ホームページ

当事者リレーエッセイ:金環日食を見た 鈴木勉

金環日食を見た。あろう事か、この僕が。ほとんど昼夜逆転生活をしているのに、家族に誘われ、たたき起こされて見た。日本では何百年に一度しか見られないというので、しぶしぶ付き合いで。

その日、世間は大騒ぎ。新聞には、金環日食の日に宝くじを買うと当たる確率が高いという記事まで出ていた。で、それに乗って、毎週買っている宝くじをいつもよりようけ買ってみた。まぁはずれたら、福祉事業やらなんやらに寄付されるというので、それはそれでええかと、ネットでポチっと。近頃はネットでポチっとすれば、何でも出来る。僕ら障がい者には、ある程度便利な時代になった。

とはいえ、気になることもある。ヨメハンが始めたフェイスブックに、ときどき署名が回って来るという。「福島の子どもたちを助けよう!」だったり「原発再稼働を阻止しよう!」であったり。ネットでポチっとすれば、署名できるらしい。集まった署名はプリントアウトして野田総理に届けるということらしいが、主催者の名前を見ても、僕は聞いたことのない反原発の国際団体で、実態はわからない。

それでも、何万という署名が集まっているらしい(主催者によれば、やけどな)。実際のところ世論のアピールみたいな話で効力はないのやろうし、メールアドレスを集める狙いもあるのかもしれない。その後の展開は、どう考えてるんやろうか。

ネットとのつきあい方

僕らが署名するときは普通、誰がやってるかわかった上でする。運動つながりの誰々さんとこから回ってきた、みたいな感じで。集まる数は知れてるかもしれないけど、信頼関係で成り立っている。街頭で署名運動をしたときだって、僕らが身をさらして訴えた。

時代は変わったし、運動にもいろんなものがあって、いろんな関わり方があってもええとは思う。それに、当たり前の事やけど、福島の子どもたちは助けたいと思う。原発再稼働にも原則反対で、いっぺんなしでやってみたら、と思ってる。でも、主催者がどんなとこかわからんような活動に、僕は荷担する気にはならん。

ネットは便利やし大きな力を持つこともあるけど、いろんな意味で怖い、危ういモンやとわかって付き合わないと痛い目に遭うからね。

夢では、合計億円の当たりくじがどこかに行ってしまい、探してやっと見つけたところで目が覚めた。金環日食の御利益あったか? 今年はやりまっせ。もし当たったら、1億くらいならぽ〜んと寄付しちゃうよ。

慣れない早起きなんかしたから、当たりくじじゃなくて風邪引いたやんか。

WEBは抜粋版です。すべて読みたい方は購読案内をご覧ください。



1999 pukupuku corp. All rights reserved.