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当事者リレーエッセイ:熊本での取り組み 村上博

障害者カヌーフォーラム

台風17号通過の影響が残る9月30日、第9回「障害者カヌーフォーラム」を開催。未明まで降った雨で緑川乙女河原の足場は悪かったが、参加者とボランティア総勢200名が集結。増水した緑川でのカヌー乗艇は無理と思われたが、パドラー担当スタッフが穏やかなコースを探し出し、カヌーに乗ることができた。カヌーに乗れない「カヌーフォーラム」になるところだった。

11月25日にボランティアの方々を招き、記録DVDを見ながら「想い出会」を行う。2年後の第10回(20年目)につながるように。

パンテーラ

10年近く使用しているスウェーデン製の車いす=パンテーラを修理に出した。 友人であり内閣府障害者制度改革担当室室長の東俊裕さんも愛用している。修理の間、代車の車いすを貸してもらったが初日から腕が痛く、車いすをこぐのが久しぶりにしんどく、ストレスになった。原因は車輪の軸と自分の重心が10aほどずれていたためだ。3日後、帰ってきた愛車に乗り換えた途端、身体が軽くなった。「合わない車いすに乗ると身体を壊す」とパンテーラを勧めたM氏の言葉を思い出した。

バリアフリーアドバイザー養成講座

DPIから「バリアフリーアドバイザー養成講座」の開催要請が「ヒューマンネットワーク熊本」にあった。11月と来年2月に開講する。地方での開催は熊本が初めてだ。今回のテーマは「バリアフリー新法と公共交通」。熊本市は1997年8月、日本で最初に「ノンステップ路面電車」を導入した草分けだ。

「街が蘇った」と表現される先進国、ヨーロッパの各都市の交通事情調査のために1994年と1996年の2度、私は仲間たちと訪問した。「あなたが言わずに誰が言いますか」と真剣な表情で激励してくれたグルノーブル市(仏)の説明役のアン・フェルナンデスさんの言葉に背中を押され帰国後、導入運動を必死に展開。そんな導入前後の様子を受講者に伝える役目を言い渡された。障害当事者の動き次第で街が劇的に変わることを伝えたい。

早期体験学習

熊本市にある私立大学の薬学部が行う「早期体験学習」を受け入れるようになって6年。今年も1週間に渡り4名の学生を受け入れた。最終日(11/16)は一人3時間づつ一人で車いすをこぐ「車いす街中体験」を行った。車道と歩道の段差、歩道の傾斜など、「これまで歩いていてまったく気にならなかったことばかり」と、共通した驚きの感想。10年後、20年後、団塊の世代が高齢者の中心となる時代を支える世代だ。障害当事者だけでなく、支える世代からの声、動きも重要だ。

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