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当事者リレーエッセイ:バリアフリーは、結局人と人の問題 鈴木勉

正直、何を今更? というのが最初の感想やった。

銀座の有名レストランで、『五体不満足』の乙武洋匡氏が入店拒否されたとかで、話題になっているらしい。少し前に、ブログが炎上したらしいが、もう削除したのか、詳しく見られなかったが、その後にHPに掲載された記事を読んだ感想です。

乙武氏は、車いすで行くことを事前に言わずに予約し、行ってみたらエレベーターが止まらない2階にあった。そこで店の人に階段を抱えて上がって入店させてくれと頼んで断られたという話らしい。店の対応も冷たかったとかで、「排除された」感じがしてショックを受けたそうだけど、僕らは子供の頃からさんざん味わって来た話。乙武君という人は、よほどいい人たちに囲まれて、世間の冷たい風に当たらずに生きて来たんやなぁ。

飲食店に限らず、バリアフリーの状況なんて、こんなもんやろう。昔よりは随分良くなったとはいえ、まだまだこんなとこはザラにある。

ただこのレストランの店主のように、露骨に嫌な顔をしたり、面と向かって拒絶する人が減ったのは確か。まして相手は有名人。銀座の有名店なら尚更、体面を気にしてもっと穏やかな対応をするのが普通だろう。まだ居てんねんなぁ、こういうおっさん。

この店主、「事前に車いすで行くと連絡するのが常識でしょう」と言ったらしい。車いすで入りにくい店に行くときは、僕はもちろん車椅子だと連絡してから行く。それは、嫌な思いをしたくないから、言ってみれば処世術の一つだ。店の側から言われたくはないなぁ。店の側からは、「車いすへの対応が不十分ですみません。」ということではないのか? 結果、抱えて上がれなくても仕方ないけど、「申し訳ありません」と謝られたら、こんなトラブルにはならんやろう。

痛い目にあって学ぶ

バリアフリーの問題も、結局は人と人との問題。事前に「車いすで行く」と言っておくと、お店の方が気持ちよく手伝ってくれて、何回か行くうちに、スロープが用意されていた店も何軒もあった。

「青い芝」を始め、多くの障がい者たちが昔からいろいろな「排除」や差別と戦ってきた。その後、人と人として、いい関係を作って行く方がいいということを学んで、穏やかな方向に軌道修正しながら、みんながやってきたこと。過激にやればバッシングもされる。そういう意味ではどっちも痛い目にあって、学んだんちゃうかな。って、上から目線やけど、まぁ、やっかみ半分かな。

僕も銀座の有名レストランに、「友人」のおねえちゃん同伴で、行ってみたいもんなぁ。

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