まねき猫通信159ぴきめ(2015年10月1日発行)WEB版
トリの眼・ムシの目・ニャンコの目(巻頭コラム)
芥川龍之介の『桃太郎』は1924年に発表された。芥川版桃太郎は、大衆的な桃太郎像とは真逆の「略奪者・殺戮者・侵略者」である。家来の犬・猿・雉も互いに不仲で、己の飢えを凌ぐために「鬼ヶ島征伐」に同行したにすぎない。桃太郎は「お爺さんやお婆さんのように…仕事へ出るのがいやだった」ので「鬼ヶ島征伐」を志した。老人夫婦も桃太郎に愛想を尽かしていて、一日も早く家から追い出したかったから黍団子をもたせて「出陣」させた
斯くして、香しき文化と平和な日々を満喫していた南海の楽園「鬼ヶ島」は、桃太郎と3匹の家来に陵辱の限りを尽くされる。鬼の「酋長」が侵略の理由を桃太郎に問うと「征伐したかったからだ。これ以上訊くと殺すぞ」と恫喝される始末
さて、生き残った子どもの鬼たちが大人になった。彼らは「椰子の実爆弾」を作って反撃を開始、鬼ヶ島独立闘争に立ち上がり、桃太郎の家を襲う…「どうも鬼というものの執念の深いものには困ったものだ」老いた侵略者は独りごちた
この短編が関東大震災の翌年に発表されたことに注目したい。芥川龍之介は今の日本を予見していたのだろうか?鬼の子ども(=私たち)は桃太郎(=安倍晋三)を、決して・断じて・絶対に、許さない!(パギ)
目次
- 特集:大阪にも差別禁止条例を 先行する明石市から学ぶ
- 身のまわりにある障がい者差別について考えてみよう!
- 明石市の差別禁止条例づくりに学ぶ
- 民間事業者への市の支援を明記 明石市障害者施策担当課長 金政玉
- 当事者リレーエッセイ:哀愁の雨が降る 佐野武和(本紙のみ掲載)
- 新聞の作り方130:思想も節操もかなぐり捨て 権力に従う議員・記者・編集者 石塚直人(本紙のみ掲載)
- かんこさんのおまかせシネマ・・・それでも僕は帰る シリア 若者たちが求め続けたふるさと(本紙のみ掲載)
- 食べものあれこれ ぷくぷくショップ(本紙のみ掲載)
- 楠敏雄さん追悼文集 ―その人、その仕事、その思想―より
- 改めて障害者運動について考えるE
- 北摂市長N氏の悩み第130回「瀬田たちの目的を暴け」の巻き15 西川たけお(本紙のみ掲載)
- 塩田さんの復職を求め 公務員法の違憲性を問う裁判に寄せて
- 障がい者の雇用拡大に向けて 障害者欠格条項をなくす会共同代表 福島智 大熊由紀子(本紙のみ掲載)
- 身のまわりにある障がい者差別について考えてみよう!