まねき猫通信163ぴきめ(2016年2月1日発行)WEB版
トリの眼・ムシの目・ニャンコの目(巻頭コラム)
1月17日は「阪神淡路大震災」21周年の記念日だった。この国のマスコミは「モード」が大好きで、8月6日・広島と同9日・長崎は「被爆モード」、同15日は「終戦記念日モード」でメディアが賑わう。今ではそれに「1・17阪神」「3・11東北」が算入された。何のために振り返るのか、過去から何を学ぶのか、今年の○○記念日はどんな意義があるのか、ほぼ何も問わないし報道しない。ましてや議論などない
その背景には、この国の国民は「被害」の記憶は強いが「加害」や「責任」を余り意識しない、という事情があるようだ。被害をもたらした責任者は誰なのか、その責任は彼我の孰れにあるか、それとも共犯関係か…意識的な問いは、まずない。故に答える努力もない。戦争も地震も原発災害も「なんとなく始まって、いつのまにか終わった」にすぎない。だから「死んだ人は可哀想。被害者に哀悼を」と繋がっていく。友人Nは「揺れ出して10秒は天災だがその後は全て人災だ」と語って逝った
人災の責任が全的に回避される度に新たな国民統合が画策される。「地震の後には戦争がやってくる」と、故・忌野清志郎は14年も前に喝破していたのだった(『瀕死の双六問屋』)
もうすぐ「フクシマ5周年」である。(パギ)
目次
- 特集:「入試改革」のなかでの公立高校入試の現状
- たくさんの「15の春の泣き笑い」 高校問題を考える大阪連絡会 片岡次雄
- 高校はすごく楽しいところ 大阪府立高校1年生 前田蓮
- 当事者リレーエッセイ:このままでは交差点の横断が危険 三原ひろみ(本紙のみ掲載)
- 新聞の作り方134:まともなジャーナリズムとは 石塚直人(本紙のみ掲載)
- かんこさんのおまかせシネマ・・・牡蠣工場(本紙のみ掲載)
- 食べものあれこれ ぷくぷくショップ(本紙のみ掲載)
- 楠敏雄さん追悼文集 ―その人、その仕事、その思想―より
- 私の4つのKEY WORDSB 「ノーマライゼーション研究/1995年版/巻頭のことば」より
- 北摂市長N氏の悩み第135回「北摂氏の存在価値を計る」の巻き2 西川たけお(本紙のみ掲載)
- 「障害者の自立と政治参加を進めるネットワーク」東京大会
- 初の省庁との意見交換今後の課題も さいたま市議会議員 傳田ひろみ(本紙のみ掲載)
- たくさんの「15の春の泣き笑い」 高校問題を考える大阪連絡会 片岡次雄