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まねき猫通信170ぴきめ(2016年9月4日発行)WEB版

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トリの眼・ムシの目・ニャンコの目(巻頭コラム)

 相模原で19人を虐殺した犯人は、衆院議長に充てた手紙に「障害者は不幸を作ることしかできない」と書き、逮捕後「重度障害者が生きていくのは不幸。不幸を減らすためやった」と語った。そして案の定、インターネット上では「よくやった」「障害者は生きていても誰の得にもならない」といった類の投稿が溢れている。犯人は、社会意識の深層にある人々の漠然とした思いを見事に代弁する

生きるに値しない人間がこの世に存在するか?それよりも「値する・しない」の基準は何で、誰がそれを判断するのかと問いたい(「幸・不幸」も然り)。障がいを持った我が子を殺した親や介護に疲れて身内を手にかけた者は必ず「情状酌量」の対象になるのが日本国の常套で、「可哀想」が差別に繋がることを理解する人は少ない。故に、殺された障がい者の実名と人生は一切語られず「人数・年齢・性別」だけが発表される、それを良しとする社会なのだ

最首悟は「いまの日本社会の底には、生産能力のない者を社会の敵と見なす冷め切った風潮がある。この事件はその底流がボコッと表面に現れたもの」と看破した。そう、犯人は「精神異常」でも「通り魔」でもない「正気」だ…この種の人間を「重度健常者」と定義・命名・呼称すべし。(パギ)

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