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まねき猫通信171ぴきめ(2016年10月4日発行)WEB版

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トリの眼・ムシの目・ニャンコの目(巻頭コラム)

 日本精神神経学会法委員会は8月29日に「相模原市の障害者支援施設における事件とその後の動向に対する見解」を発表した。その前文で「社会から障害者を排除しようとする思想がなお根深く残るなか、本事件を契機に精神医療が保安のための道具として強化されることを危惧」するという立場をまず表明している。安部首相の指示を受けて厚生労働省が早々と8月10日に「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム」を立ち上げたことに対しても「精神保健福祉法が患者管理のための法律として再強化され、精神医療が特殊な医療へと逆戻りすることは決して許されません」と強く抗議した

見解は、精神保健福祉法は犯罪予防のためにあるのではない、措置入院の経験者は治安対策の対象者ではない、犯人の思想は治療の対象では決してない、といった内容で「一〜六」に簡潔かつ明確に纏められている。最後に「私たちはこの事件の悲しみと憤りを乗り越えて、差別・偏見のない共生社会を実現しなければならないが、その営為は、私たち自身の内なる優生思想を克服することなしには達成できない」と締めくくっている。これは専門家のためだけの文言ではない。万人が一読して心に銘記すべき〈宣言〉である。(パギ)

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