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障害当事者のリレーエッセイその5

 トホホの日々(ひび)

佐野(さの) 武和(たけかず) 


(あたら)しい土地(とち)建設(けんせつ)する小規模通所(しょうきぼつうしょ)授産(じゅさん)施設(しせつ)をめぐって地元(じもと)住民(じゅうみん)反対(はんたい)にあった。説明会(せつめいかい)程度(ていど)ですむと(おも)った住民(じゅうみん)との協議(きょうぎ)は「住宅(じゅうたく)地域(ちいき)障がい者(しょうがいしゃ)作業所(さぎょうしょ)なんてボタンの()(ちが)いだ?!」「差別(さべつ)はしないが(こま)る。(まご)がいるし・・・?!」とはっきりしない(なん)とも(なさ)けない理由(りゆう)紛糾(ふんきゅう)した。同席(どうせき)した行政(ぎょうせい)担当者(たんとうしゃ)が「佐野(さの)さん腹立(はらた)たないんですか?」と(かえ)(ぎわ)(こえ)をかけてきた。「(はら)()てるより()きたいですトホホ・・・」とギャグをかますと「さすが難関(なんかん)にも楽観的(らっかんてき)()()かうといったところですね」と()(かえ)され、正座(せいざ)をして(いた)(あし)()きずりながら本気(ほんき)でトホホと()いた。

△ポリオの後遺症(こういしょう)は50歳代(さいだい)(かべ)()えるのが大変(たいへん)だというショッキングな(はなし)生後(せいご)まもなくポリオに感染(かんせん)しその()(かる)後遺(こうい)障害(しょうがい)とつきあってきた。いや(じつ)苦難(くなん)人生(じんせい)であったし健常者(けんじょうしゃ)へのあこがれと幻想(げんそう)()一歩(いっぽ)でも(ちか)づき克服(こくふく)するものとして障壁(しょうへき)とたたかった。ウホッ〜(おお)げさです。とにかく(うで)()がらず、(とお)くまで(ある)けず、()きづらく、()みづらいといった(とし)をくっただけではすまされない(からだ)現象(げんしょう)(おどろ)いていると。「それポストポリオシンドローム」と(わけ)のわからないことを()(ひと)(あらわ)れ、二次(にじ)障害(しょうがい)としてとらえ無理(むり)せず、(あせ)らずだそうだ。(くるま)いすを使(つか)って()かけることを習得(しゅうとく)し、(やす)みをたっぷり(?)とることを(こころ)がけている。先日娘(せんじつむすめ)に「最近(さいきん)(とう)さん(なま)(もの)になったね」といわれ「なにくそ」と反撃(はんげき)しながら(かげ)でトホホと()いた。

(5ひきめ 2002年9月)

 

さの・たけかず●1952(ねん)滋賀(しが)(うま)れる。生後(せいご)まもなくポリオ障害(しょうがい)施設(しせつ)()中学(ちゅうがく)高校(こうこう)地元(じもと)。1971(ねん)名古屋(なごや)()障がい者(しょうがいしゃ)運動(うんどう)参加(さんか)(ユー)ターンして1987(ねん)ぽてとファームを設立(せつりつ)代表(だいひょう)

                                                  

森本菜穂子さん    村上博さん    轟広志さん

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