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まねき猫通信55ひきめ(2007年1月1日発行)

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トリの眼・ムシの目・ニャンコの目 (巻頭コラム)

昨年十一月、灰谷健次郎さんが逝ってしまった。二〇〇四年十二月に食道ガンの大手術を受けて恢復に向かっていたのに…去年の春、再発・転移がわかって、秋にはホスピスに移られた。覚悟の死だった。「挨拶」も用意されていた。死後一週間して届いた葉書には「学んできたとおりに生涯を終えたい。精一杯生き、人を愛し、また多くの人に愛されてきた人生に、何一つ悔いはありません。一足お先に、感謝を込めて」とあった。

出来る子・出来ない子、遅い子・早い子、いい子・わるい子…大人はすぐ子供を分類したがる。そうではない、それは大人の傲慢であり差別教育の結果だ、と灰谷さんは訴えた。こどもに教えられる教師でありたい、こどもとともに生きる親でありたい、こどもを計らない大人でありたい。灰谷さんの【優しさ】は祈りでもあった。その【優しさ】は、誤解もされた。「灰谷は児童中心主義で甘い」「優しさまとめて花いちもんめにすぎない」と。灰谷さんの優しさの裏には「生」につながるたくさんの「死」がある。それを論じた評論家は少ない。

日本の学校教育は優しさをかなぐり捨てて、子供を地獄に落とそうとしている。灰谷文学の発展とその精神の継承は、私たちの急務だ。(パギ)

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