まねき猫通信52ひきめ(2006年10月1日発行)
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トリの眼・ムシの目・ニャンコの目 (巻頭コラム)
この原稿が印刷される頃には「自民党総裁選」は終わっているのでしょうね。下馬評通り、安倍総理が誕生しているのでしょうか?それとも…いずれにせよ、日本の近現代史上最悪の時代を私たちは生きることになります。基本的人権よりも国権を最優先させ、権利を主張する前に義務を果たせと宣い、愛国心こそが最大の道徳であり、諸国家間の友好より国防を重んじ、そしてその上で、生き残れないもの・負け組は死ねばよい。立派な日本人なら勝ち組になれるはず…そんな【美しい】国にしようと仰るのです。
第二次世界大戦の敗者は、日・独・伊のファシスト国家でした。ヒットラーは自殺し、ムッソリーニは民衆の手で処刑されました。勝利した連合国側に正義があったなどとは決して申しませんが、ファシズムという政治体制が何をもたらしたのかという反省は、ドイツとイタリアに比べてこの日本では決定的に不徹底でした。ヒロヒトは生き残りました。
戦争中、障がい者はどんな扱いを受けたでしょうか? 想いを馳せてみてください。平和の意味を、もう一度考え直してください。主権在民とは何に由来するのか、思い出してみてください。古今東西を通して、最も【醜い】国になりさがった此処でこそ…(パギ)