まねき猫通信57ひきめ(2007年3月1日発行)
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トリの眼・ムシの目・ニャンコの目 (巻頭コラム)
「女は子供を産む機械」だと発言した大臣を、首相が「十分反省しているから」と庇う。オヤジ政治屋とでも形容したくなるようなこの種の差別者は、「己は日本男児である」と自覚しているに違いない。「いざ行け/強者/日本男児」と軍歌で囃し立てて侵略戦争を美化した歴史など、オヤジ政治家ドモの脳細胞の片隅にも自覚されてはいない。
家柄・血統・権威(力)の継承を男子に限るという貴族趣味は、一向に潰え去る兆しがない。「産む性」に限定する女性観は俗情と結託している。だから、フェミニズムが私たちに突きつけた告発「なぜ男が女より偉いのか、証明してみろ!」は、この世界が男社会であり続ける限り、半永久的に有効だ。
『クライング・フリーマン』という漫画に「百八竜」という犯罪組織が登場する。皇太后格の虎母は「血の継承は組織の腐敗を招く」と、孫娘が首領になることを命がけで阻止した。
世論は大臣の妄言に対して「女性の立場を無視している」「少子化対策に逆行する」という批判のみを繰り返しているが、「女は子供を産む機械」の手本・根本はこの国の天皇制ではないか。男児世襲を賛美する俗情に如何ばかりの批判力があるのか、甚だ疑問だ。安倍も正日もブッシュも、虎母に学べ!(パギ)