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まねき猫通信86ひきめ(2009年9月1日発行)

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トリの眼・ムシの目・ニャンコの目 (巻頭コラム)

オーストラリア東部を旅した。シドニー、キャンベラ、メルボルン、アーミダイル、それぞれの町が独自の歴史と風土に彩られ、第1印象は共通して「軽い・広い」だった。2週間の滞在中、誰も振り向かない、視線を感じない、「何処から来た?」と一度も訊かれなかった。日本では、常に「見られ・訊かれ」る…そうでしょ?

大英帝国の「領土」となったオーストラリアは、流刑地としてその歴史の幕を開ける。もちろんそれは、先住民族であるアボリジニーから土地を略奪した結果だ。その後、白豪主義政策の下で、南アやアメリカと同様、人種差別の忌まわしい歴史が続いた。その反省を経て、現在は「多文化主義」が国家の原則で「移民を受け入れる」が国是だ。

オーストラリア国民の出身地は200ヵ国に及び、96の言語について公教育内でのプログラムが存在するという。欧米、アフリカ、中東、インド、スラブ系、アジア系、イスラム…肌の色も、言葉も、立ち振る舞いも異なる、多種多様な人々が全て「オーストラリアン」なのだ。

「一人一人は違っていて当たり前」が原則の社会と、「違う者は排除する」か「〈保護〉してあげる」という発想しかない社会…単純に比較をしてみても、ニッポンは依然として「重い・狭い」。(パギ)

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