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まねき猫通信90ひきめ(2010年1月2日発行)

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トリの眼・ムシの目・ニャンコの目 (巻頭コラム)

1年前の巻頭言に「今年こそ(中略)盆と正月がいっぺんに来たような喜びを分かち合いたい」と書いたが、昨年とて喜ばしいことはあまりなく、例年の如く、旧年が行き新年が明けた。私事だが、旧年中は親しい人の葬儀に3回、婚礼に2回出席した。出産の祝報をくれた人が2人、3人の逝去を後で知った。自分の身の回りで命が往来するのをかなりの頻度で見聞する年回りになった、という実感だけは深まった。

元来、冠婚葬祭を好まない我が身だ。形式と義理掛けだけが支配し、出席者の自己主張は以っての外、着慣れない礼服に身を包み、紳士淑女と善男善女を気取る、あのわざとらしい時空が嫌なのだ。新しい人生の門出を祝うのも、人の生涯の終焉を悼むのも「当事者」の技ではなく、因習としきたりに従うだけの儀礼にいかほどの意味があるだろうか?

ところが、昨年はいい言葉を胸に刻む機会に恵まれた。喪主(妻)が最後に「お父ちゃん、こんなに沢山の人達がお別れに来てくれたよ。お父ちゃん、ほんとに幸せやったね」と挨拶した…涙が溢れた。新婦が母に「私を産んで、今日まで育ててくれて有難う。これからも我が儘な娘でいます」と礼を述べた…涙が止まらなかった。

さぁ、今年も「命のリレー」だ。(パギ)

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