まねき猫通信102ひきめ(2011年1月1日発行)
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トリの眼・ムシの目・ニャンコの目 (巻頭コラム)
「卯」は十二支の4番目。方角では「東」を意味する。時刻なら今の午前5時から7時ごろに相当し、陰暦「卯月」は4月の異称。本来「順番」を示す十二支と動物とは何の関係もないが、「卯」には「兎」が充てられて今日にまで至っている。
ウサギの一般的なイメージは「可愛い・弱い・白い」―でも「因幡の白兎」「兎と亀」「かちかち山」のウサギは狡賢いし、韓国古典芸能・パンソリの「水宮歌」に出てくるウサギは智慧者で、自分の肝を取られそうになり言葉巧みに竜王を騙して難を逃れる。種類によっては、茶色・まだら・ブチ・きつね色・灰色など色々で、希少野生動植物種であるアマミノクロウサギは黒い。酒場の「バニー・ガール」はセクシーだし、「ピーター・ラビット」は余りにも人間くさい…実に様々なウサギが存在するわけだ。
ブッダ(お釈迦様)の前世はウサギだと言う。ある時、森で飢え死にしそうになっていた聖者を助けるため、ウサギは火の中に投身して餌となったという逸話から、ウサギは献身の象徴になった。月の模様を餅をつくウサギに見立てるのは、これに由来する。
今年、吾ら皆、脱兎の如く「貧困と差別」を追いつめ「平和と人権」の豊穣を。「二兎を追うものは一兎をも得ず」は、嘘だ!(パギ)