まねき猫通信107ひきめ(2011年6月1日発行)
ふりがな対応のpdf(抜粋)版(約2.86MB)もどうぞ。
トリの眼・ムシの目・ニャンコの目 (巻頭コラム)
ソウル・インチョン国際空港に着くと「放射能線量測定器(モニター)」が出迎えてくれる。希望者は金属探知機のようなゲートで数秒立ち止まる。その横では係員がコンピューターの画面を眺めて「OK」の指示を出している。もし制限値以上の数値が出れば、何らかの処置がなされるのだろう。
福島第一原発一号機でメルトダウン(全炉心溶融)が起きたのは、地震発生から16時間後の3月12日午前6時50分ごろだったと、東電が発表したのは5月15日。「建屋が破損しただけで格納容器と原子炉は大丈夫」「いますぐ生命に影響を及ぼす放射線量ではない」などと嘘八百を並べ立てていたのは、何処の誰だ?!戦争・公害・原発事故…これら皆、国家と大企業がグルになって引き起こす産物である。その結果、庶民は貧困地獄に叩き込まれ、障がい者をはじめ「社会的弱者」は切り捨てられる。この期に及んでも「原発推進」を謳う者どもの言い分を、今こそ連日連夜報道すべきではないか。
ソウル中心街の薬局では「放射能マスク」が売られている。マスクごときで放射能を防げるはずもないが…危機意識に便乗した商売詐欺か、はたまた正真正銘、科学的根拠に基づいて開発された福音か…後者なら、いますぐ日本に輸出してほしい。(パギinソウル)