まねき猫通信108ひきめ(2011年7月1日発行)
トリの眼・ムシの目・ニャンコの目 (巻頭コラム)
日本は、アジアを侵略して計り知れない殺戮と略奪と陵辱を行った帝国主義国であり、かつ、唯一の被爆国である。その結果、日本には戦争放棄を謳った平和憲法が存在する。日本は戦災からいち早く復興し、技術立国として邁進してきた。資源の少ない日本は、その経済の根幹を貿易で支えなければならなかった。
何よりも、日本人は勤勉で従順である。礼儀正しく秩序を重んじる日本国民は、驚くべき経済成長を成し遂げた。日本ほど治安が良く安全な国は、世界に類を見ない。日本は原子力の平和利用の推進を国策として、原子力発電所建設に邁進してきた。日本の原発は絶対安全で、事故など起こりえない…と、ここまで書いてくれば「日本」の化けの皮が剥がれる。
侵略戦争の反省を徹底せず、戦後も天皇制を存続せしめ、先住民と少数者と弱者の権利を踏みにじったまま、障がい者を排除し、公害をまき散らしながら、独占資本と政治家と官僚の利益だけを優先させてきた「日本」の化けの皮は、原発事故で剥がれた。日本には、長崎型原爆を4000個製造できる量のプルトニウムが存在する。しかも、チェルノブイリの事故を遙かに上回る放射能汚染を引き起こした「日本」に、今後、どのような言説を付加すべき哉。(パギやんinソウル)
目次
- 被災障がい者支援個別支援に重点を置き長期支援をやり抜きます
- 当事者リレーエッセイ 「どうすればいいんだ?」という感情に捉われる私 轟広志
- 「君が代強制条例」の暴挙 石塚直人
- 吹田の生き物と人41 アサギマダラ 高畠耕一郎