まねき猫通信82ひきめ（2009年5月1日発行）
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トリの眼・ムシの目・ニャンコの目 （巻頭コラム）
朝鮮半島の北部を指して「北朝鮮」と称する。では、「北朝鮮」という国はこの世に存在するのか？ 一方、韓国は確実に存在する。ただしそれは「大韓民国」の略称である。としたら、なぜ「南朝鮮」と言わないのか？ 今は使わないだけで、昔は当然のように呼称していたのだ。
第２次世界大戦後、３つの分断国家が生じた。政権の正当性をめぐる論争や、時代背景と政治状況を色濃く反映して「北ベトナム・南ベトナム」「東ドイツ・西ドイツ」「北朝鮮・南朝鮮」といった。ベトナム戦争は１９７５年に終結、翌年「ベトナム社会主義共和国」が誕生、今に至る。ドイツでは１９９０年に再統一がなされて「ドイツ連邦共和国」、旧西ドイツの国名がそのまま残った。１９５０年に朝鮮戦争が勃発、１９５３年休戦、現在も終戦していない。「北朝鮮」には朝鮮民主主義人民共和国が、「南朝鮮」には大韓民国が存在する。
だから、「北朝鮮がミサイルを発射」したという表現は「九州が核武装した」に相似し「北朝鮮の国旗が写っている」は「東北の国会が見える」に等しいのだが、兎にも角にも、日本では「北朝鮮」という、危険きわまりない極悪非道な【国家】が存在している。本当に「怖い、怖い」「恐ろしい、恐ろしい」…。（パギ）
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