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まねき猫通信85ひきめ(2009年8月1日発行)

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トリの眼・ムシの目・ニャンコの目 (巻頭コラム)

映画『ナッツ』(1987年)で、バーバラ・ストライザンドは客を殺した娼婦に扮している。名前はクローディア、裕福な家庭に育ち10年以上の結婚歴もある。彼女がなぜ身を堕すはめになったのか?その背景が分析されると同時に、その情動的で暴力的な言動から「精神異常」とされてしまう。弁護士・検察・判事・医師・両親ら、彼女の周囲にいる全ての人々が「裁判を受ける能力無し、刑務所よりも病院へ送致」を主張する。

精神鑑定医を無能と罵り、公判中に弁護士を殴り倒し、両親にさえ皮肉でしか応えない彼女の「異常」な行動を、偶然同じ法廷にいた弁護士・レビンスキーだけが「正常」と受け止めた。予審が再開され、彼女の暴力の背景にある「恐怖」の来歴が徐々に明らかになる。継父の性暴力と母親の誤魔化し、「愛されたいが故に」告白できなかった自分、ベテラン精神鑑定医の虚偽と過誤。

クローディアは、法廷にいる全員に向かって叫ぶ。「親に従順で、医者に服従し、裁定に頷く…そうしないから私を異常者に仕立て上げたいのでしょ。私は、あなた達が頭の中で勝手に描いた私じゃないのよ。私は、今ここにいる、この私なのよ!」…バーバラが颯爽と街を歩くシーンで映画は終わる。(パギ)

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