まねき猫通信88ひきめ(2009年11月2日発行)
ふりがな対応のpdf(抜粋)版(約3.4MB)もどうぞ。
トリの眼・ムシの目・ニャンコの目 (巻頭コラム)
新得町は、北海道のほぼ中央に位置している。札幌からだと特急で1時間半、釧路空港からのアクセスが一番近い。「開拓」の歴史には、痩せた土地での艱難辛苦が刻まれている。広大な畑や牧場に混じって刈り入れが終わった蕎麦畑があったが、蕎麦の茎が赤く染まることを初めて知った。蕎麦は土地が痩せていてもよく育つ作物で「新得蕎麦」はこの地の名産物、毎年9月には「新蕎麦祭り」が盛大に行われる。
もう1つ、毎年9月に新得町で行われるお祭りがある。今年14回目を迎えた『空想の森映画祭』は、旧・新内小学校で開催される〈日本一小さな映画祭〉だ。60にも満たない観客席は常に満席で、カフェでは映画談義に花が咲いている。広い校庭では焚き火をしながら、芋やトウモロコシを焼いて食べる。石窯も設えてあって、次々に御馳走が振る舞われる。4日間、のべ500人が9作品を鑑賞した。
『共働学舎新得』は、映画祭の強力な助っ人。農場には、心身の障がい故に学校や会社に行かなかった/行きたくない、牛が飼いためだけにやってきた…さまざまな人々が集っている。フランスで金賞を獲得したチーズが、まさに絶品! 映画祭は「農」と「共生」の祝祭でもあった。〈世界一贅沢な映画祭〉は、来年も開催される。(パギ)
目次
今月の通販
通信販売のページをご覧ください。