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まねき猫通信72ひきめ(2008年7月1日発行)

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トリの眼・ムシの目・ニャンコの目 (巻頭コラム)

何をどのように発想すれば後期高齢者という用語が生まれるのだろうか? 後期があれば、当然、前期があるだろう。時間や空間、順序などの物理的な区切りであれば「前期・後期」は納得がいくが、人間の年齢区分に「後期」を冠するとは、まさに「もうすぐ死ぬ人々」という語義の言い換え以外何ものでもない。

「もうすぐ死ぬ」「どうせ死ぬ」のだから温かい福祉や厚生は不要だ、という為政者の本音が「後期高齢者」の用語には滲み出ている。それは「障がい者は生産能力のない無意味な存在だ」と規定する差別者の思想と通底する。<命>の値踏みをしながら「効率」でしか物事の価値を判断しない社会システムのホンネが、見事に顕在している。

「近代合理社会は、生産性を高め、利潤を上げるためにますます合理化、機械化、画一化への方向へ加速度を強めております。しかし人間は本来不合理なものですから、それへの抵抗が起こるのは当然」だと故・横塚晃一は言った。彼の残した『母よ! 殺すな』は、不合理に満ちた告発の書だ。人間愛に貫かれたこの書をバイブルに、生きて生きて生き抜いて「末期高齢者」の生きざまを見せつけてやろうではないか!と「前期高齢者」の私は思うのだが…。(パギ)

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