まねき猫通信81ぴきめ(2009年4月1日発行)
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トリの眼・ムシの目・ニャンコの目 (巻頭コラム)
今はパソコンで文章を作り、プリンターで印刷。昔は、蝋原紙を鉄筆でガリ切りして謄写版で刷った。
今、子どもの遊びはゲーム。昔は「べったん(めんこ)」「ベーゴマ」「ビー玉」「おじゃみ(お手玉)」「ままごと」「鬼ごっこ」等々、一心に興じた。「缶蹴り」「けんぱ」「ゴム跳び」…どんな遊びで如何なるルールか、説明できる人は少数派だろう。
何百曲でも気に入った曲を超小型再生機に仕込んで、どこにでも持ち運べる。昔は、レコードがすり切れるくらい何度も針を落として聴いた。「長えものを短く着て手爪先を綺麗にして、好きな酒の一杯も呑み、世の中気楽におくりたいから馬鹿が承知でなった博打打ち」広沢虎造『石松代参』の名調子を聴いた、ましてや一節唸れる人は、日本の人口の何%かしら。
デジタル技術は、大容量の文字・音・映像を瞬時に処理することを可能にした。しかし、それはあくまでデータであって乾涸らびた二次・三次情報にすぎない。デジタル化は、創造ではなく編集と構成のための方法でしかない。「昔は良かった」という感慨に与したくはないが「昔は創造しなければ生きていけなかった」。創造しなくなった現代人は、想像力と好奇心という宝物を捨て去った…際だつ現実を、今日も見据えよう。(パギ)
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